左から、ベネッセホールディングスの福島保社長、ベネッセコーポレーションの明田英治社長、同 家庭学習事業本部長の成島由美氏
左から、ベネッセホールディングスの福島保社長、ベネッセコーポレーションの明田英治社長、同 家庭学習事業本部長の成島由美氏
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年齢に応じて、異なる仕様のタブレットを利用する
年齢に応じて、異なる仕様のタブレットを利用する
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中学生向けのタブレット
中学生向けのタブレット
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小学生向けの筆算の教材イメージ。アニメーションを使って繰り上がりを解説する。アニメーションの途中で、空欄に当てはまる数字を入力するように子供に促すなど、インタラクティブに学習を進められる工夫を盛り込んだ
小学生向けの筆算の教材イメージ。アニメーションを使って繰り上がりを解説する。アニメーションの途中で、空欄に当てはまる数字を入力するように子供に促すなど、インタラクティブに学習を進められる工夫を盛り込んだ
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 ベネッセコーポレーションは2014年2月4日、通信教育サービス「進研ゼミ」において、2014年4月からタブレットを用いた新サービスを開始すると発表した。小学校1~5年生、中学校1~3年生、高校1年生の合計9学年で、一斉にタブレットを導入する。2014年4月時点で、80万人の利用を見込む。

 映像や音声を用いた授業形式の解説や、問題の自動採点に加え、講師が実施する授業をインターネット経由でリアルタイムに見られる「ライブ授業」、分からない箇所を講師に質問できる機能などを用意する。学習の状況を保護者が見られる機能もある。これらを、対象の学年の発達状況に合わせて提供するという。

 小学生向けには、タブレットを中心とした学習コース「進研ゼミ小学講座 チャレンジタッチ」を新設。紙のテキストを中心に学ぶ従来のコースと選べるようにする。中学生、高校生向けには、既存の「進研ゼミ中学講座」「同高校講座」に、タブレットを用いた教材を追加する形で提供する。

 タブレットは、小学生向け、中学生向け、高校生向けに、それぞれ専用のものを用意する。例えば小学生向けのタブレットは液晶サイズが9.7インチ、重さは約740グラム。高校生向けのタブレットでは、デジタイザー機能によるペン入力ができる。それぞれ、一定の数の教科を一定期間受講すればタブレットの代金は無料になる。

 受講料は学年によって異なる。例えば、小学1~2年生は3教科で月額3250円(税込み・消費税率は5%で計算)、中学1年生は5教科で月額6160円(同)。高校1年生は1教科で月額5550円(同)。

 同社は2013年4月に、中学1年生向けのコースにタブレットを導入した。受講生全体の6割に当たる16万人がタブレットを利用しており、「今までより机に向かう習慣が続くようになった」など好評を博しているという。そこで、他の学年でもタブレットを活用した教育サービスを展開することを決めた。今回は提供を見送った3学年についても、現在準備を進めている。

 進研ゼミと、幼児向け通信教育サービス「こどもちゃれんじ」を合わせた会員数は、2012年4月時点で409万人。ただし2013年4月には24万人減少し「我々にとって大変ショックだった。昨今の少子化、社会状況の変化の中でサービス力が低下しているのではと反省し、大幅な見直しを進めている」(ベネッセホールディングスの福島保社長)。デジタル対応などを図りながら「今後3年をかけて、新しい進研ゼミへと変革する」(ベネッセコーポレーション 明田英治社長)計画という。