写真●日立製作所の中村豊明副社長
写真●日立製作所の中村豊明副社長
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 日立製作所は2014年2月4日、2014年3月期の連結営業利益予想を5100億円(前期比20.8%増)に上方修正した。実現すれば、1991年3月期の5064億円を上回り、「23年ぶりに過去最高を更新する」と中村豊明副社長(写真)は強調した。従来予想は5000億円だった。売上高予想は前期比4.0%増の9兆4000億円へ、従来予想の9兆2000億円から上方修正した。

 同日発表した2013年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比4.7%増の6兆7744億円、営業利益は同27.4%増の2954億円と増収増益だった。国内の原子力発電事業の減少で電力システム部門が減収となった一方で、情報・通信システム部門や電子装置・システム部門、自動車関連市場の回復を受けたオートモティブシステム部門が増収を確保した。

 情報・通信システム部門の売上高は、前年同期比8%増の1兆3372億円、営業利益は同60億円増加し、491億円の黒字となった。ATMとITサービスが好調で、通期の部門売上高予想を、前期比6%増の1兆8900億円(従来予想比2%増)に上方修正した。

 「第3四半期(2013年10~12月期)の国内の情報関連受注は、前年同期比で109%になった」と中村副社長は述べた。2013年4~9月期の国内の情報関連受注は前年同期を下回っていたと明かし、「日本企業が、ようやくITを戦略に活用し始めた」(同)との認識を示した。