図1●ネットワーク混雑時でも視聴者の体感品質を最善にする配信レートなどを過去の状況から予測
図1●ネットワーク混雑時でも視聴者の体感品質を最善にする配信レートなどを過去の状況から予測
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図2●全天周映像向けインタラクティブ配信技術
図2●全天周映像向けインタラクティブ配信技術
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 NTT持ち株会社とドワンゴは2014年2月4日、2013年7月に開始した業務提携の取り組み成果の第一弾として、「視聴品質最適化技術」(図1)と「全天周映像向けインタラクティブ配信技術」(図2)を発表した。

 従来、ニコニコ動画などの映像配信サービスでは、配信レートが高い高画質な映像の提供中にネットワークが混雑すると、データ伝送が映像再生に追いつかずに映像再生が停止するという現象を引き起こしていた。再生の停止は、サービス利用者の体感品質(QoE)を大きく低下させてしまう。

 NTTはネットワークの状態とサービス利用者のQoEとの関係を解明し、視聴者が実際に感じる映像の満足度を客観的な数値として推定・最適化可能な「視聴品質最適化技術」を確立したという。

 さらに、この技術を用いてサービス利用者の環境やネットワークの混雑状況に応じて、最適な配信レートなどをレコメンドする品質APIのプロトタイプを開発した。ドワンゴはこのAPIに接続することで、ニコニコ動画における体感品質の最適化を可能とするアプリを開発した。今後、ニコニコ動画における実証実験を通じて効果検証を進める。

 成果は、2014年2月13日~14日の2日間、NTT武蔵野研究開発センタで開催するイベント「R&Dフォーラム2014」で閲覧できる。

 このほか、両社はライブ会場(ニコファーレ)に設置した360度全天周カメラの映像から、視聴者がヘッドマウントディスプレイ(HMD)を通して好きな方向を自由に見渡すことのできる新しい視聴サービスを実現する「全天周映像向けインタラクティブ配信技術」の開発も発表した。

 なお、NTTは研究開発を取り組みを紹介する「NTT R&Dチャンネル」を「ニコニコチャンネル」内に開設し、R&Dフォーラム開催前日の2月12日に「NTTR&Dフォーラム2014 夜まで『Co-Innovation』直前生放送」を「ニコニコ生放送」で配信する。

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