画面●東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構のWebサイト
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 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(千葉県柏市、画面)は2014年2月3日、天文観測データの解析に使っているPCサーバーが不正アクセスを受け、運用を停止したと発表した。機構の説明によると、1月27日にアクセスログを精査したところ不正アクセスの痕跡があったため、サーバーを停止しネットワークから切り離した。1月20日頃から不正アクセスがあったという。

 不正アクセスにより、サーバーのユーザー認証情報が取得された可能性がある。この認証情報を使って国立天文台など外部研究機関のサーバーへのアクセスが試行されていたことも分かった。このため、関連機関に連絡して対策を呼びかけている。

 サーバーに格納していたのは主に天文観測データで、個人情報はない。データの喪失はなかったが、データが閲覧されたり流失したりした可能性はあるという。ハワイにある「すばる望遠鏡」の観測データや、それに関連するシミュレーションデータなどが格納されており、これらのデータが第三者の手に渡った可能性がある。

 原因は調査中で、侵入元など詳しいことは分かっていない。同機構は「研究者の皆様、関係機関の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いいたします」と陳謝している。

東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構の発表資料