gaccoのトップページ。一部の講座は受講申込みが可能
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タブレットを手にしながらgaccoを発表する、NTTドコモの伊能氏
タブレットを手にしながらgaccoを発表する、NTTドコモの伊能氏
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JMOOCが配信する講座の内容。映像による講義や、受講者同士によるディスカッション、課題などから成る。これを4週分ほどこなし、講義によっては最終試験を受ける。最終的に、講師が求める水準を満たした受講者には、履修証が与えられる
JMOOCが配信する講座の内容。映像による講義や、受講者同士によるディスカッション、課題などから成る。これを4週分ほどこなし、講義によっては最終試験を受ける。最終的に、講師が求める水準を満たした受講者には、履修証が与えられる
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放送大学が運営するMOOCの配信システム。FacebookやMoodleを活用する
放送大学が運営するMOOCの配信システム。FacebookやMoodleを活用する
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gacco初の講座「日本中性の自由と平等」を担当する東京大学の本郷和人教授。本郷氏は反転学習も実施する
gacco初の講座「日本中性の自由と平等」を担当する東京大学の本郷和人教授。本郷氏は反転学習も実施する
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JMOOCの事務局長を務める福原美三氏。講演会冒頭で挨拶に立ち、「JMOOCでは、企業が保有する実践的知識の提供も積極的に進めていきたい」などと述べた
JMOOCの事務局長を務める福原美三氏。講演会冒頭で挨拶に立ち、「JMOOCでは、企業が保有する実践的知識の提供も積極的に進めていきたい」などと述べた
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 NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアは2014年2月3日、MOOC(Massive Open Online Courses)を配信するWebサイト「gacco(ガッコ)」を公開した。国内でMOOCの配信を促進する日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)の公認の下で運営する。同日より一部の講義で受講生の募集を開始した。

 MOOCとは、大学の講義をネット上で無償配信する取り組みのこと。世界各地で盛り上がりを見せており、国内では2013年10月に複数の大学や企業が集まってJMOOCを発足(関連記事)。2014年春の配信開始に向けて準備を進めている。

 gaccoは、JMOOCの講座配信を担うプラットフォームの一つという位置付けとなる。現時点ではgacco以外に、放送大学も独自のプラットフォームを運営することを発表している。

 gaccoは“学校”をもじって命名した。「学校という日本の優れたシステムを世界に広めていきたいという思い」(NTTドコモ スマートライフビジネス本部 ライフサポートビジネス推進部 教育事業推進担当部長 伊能美和子氏)を込めた。パソコン向けだけでなく、スマートフォンやタブレット向けの画面も用意。MOOCは世界各地で広がり始めているが、「スマートフォンやタブレットへの対応は、日本ならでは」(同氏)という。

 現状で15種類の講座を開講予定。伊能氏は「これ以外に準備中の講座もたくさんある。大学だけでなく、専門機関や企業など、いろんなものを硬軟取り混ぜて用意していきたい」と話す。

 gaccoは、JMOOCが同日開催した新春講演会の中で発表された。この講演会では、実際に講義を担当する講師陣によるミニ講義も披露された。gacco初の講座となる「日本中世の自由と平等」(2014年4月14日開講)を担当する東京大学の本郷和人教授は、「歴史では文書(もんじょ)の検証が不可欠だが、文書に書かれていることが実際に実現していたと考えるのは早計。中世という時代を複眼的に見て、自由と平等がどのようにとらえられていたのかを考えたい」と話した。

 gaccoで提供される講座は基本的に無料で受講できるが、一部有料のケースもある。それが、「反転学習コース」だ(関連記事)。オンライン学習に加え、オプションで対面での講義にも参加して講師らと議論できるもの。反転学習コースは定員が決まっており、応募者多数の場合は抽選となる。前出の本郷氏の講座には反転学習コースが用意されており、受講料は1万円。

 新春講演会では、放送大学の山田恒夫教授が、同大学が運営する配信プラットフォームも披露した。電子書籍の形式でオンライン学習コースを構築する「CHiLO Book」や、eラーニング構築ツール「Moodle」など、オープンソースのツールを活用する。2014年4月開講の日本語初学者向け講座「にほんごにゅうもん」では、Facebook上に講座のページを作り、受講者登録を受け付ける予定という。