写真1●基幹系システムの刷新を進めている帝国通信工業
写真1●基幹系システムの刷新を進めている帝国通信工業
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 東京証券取引所一部上場で可変抵抗器や前面操作パネルなどの電子部品を手掛ける帝国通信工業は、全世界での基幹系システム刷新を進めている(写真1)。東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のERPパッケージを採用、システムインテグレータに依頼せずに自前で導入している点が特徴だ。先行して、2013年7月にタイ拠点、2013年8月に中国拠点に導入。現在はインドネシア拠点への導入に着手しており、2015年9月までに日本本社の基幹系システムも刷新する予定だ。

 帝国通信工業は総生産量の7割をアジアで製造している。これまではタイ、中国、インドネシア、ベトナムといった拠点ごとにシステムをスクラッチで開発し、個別に運用していた。だが、旧システムでは材料、完成品、仕様別仕掛け品などの在庫状況をグローバルかつリアルタイムに管理することができず、顧客からの急な短期納入の要望などに応えることが難しかった。

写真2●写真左から、帝国通信工業 情報システム室 室長の増田裕一氏、執行役員 情報システム管掌の篠原優一氏、情報システム室 開発課 課長の渡辺浩一氏、情報システム室 開発課 主査の東峰雄司氏
写真2●写真左から、帝国通信工業 情報システム室 室長の増田裕一氏、執行役員 情報システム管掌の篠原優一氏、情報システム室 開発課 課長の渡辺浩一氏、情報システム室 開発課 主査の東峰雄司氏
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 連結会計の際、日本の会計基準に合わせるために手作業での修正処理が発生するなど、会計処理にも手間が掛かっていた。四半期報告書の作成が遅れ、法定提出期限の45日ぎりぎりまでかかってしまう問題もあった。同社 執行役員 情報システム管掌の篠原優一氏は「パッケージを利用してグローバルにシステムを統合し、『生産状況の見える化』と『会計処理の短期化』を実現する」と、新システムの狙いを語る(写真2)。