気象庁は2014年1月31日、全国1キロ四方ごとに提供する平均気温や平均降水量などの値に誤りがあったと発表した。原因は、気象台やアメダスといった観測地でカバーできない地点の統計値を推定するためのプログラムのバグ。1日の最低気温の月平均値が、3.3度低く計算されていた地点もあった。

 今回、誤りが判明したのは、「メッシュ平年値2010」と呼ぶ、全国を1キロ四方で区切った“メッシュ”における平均気温や日最高気温、日最低気温、降水量の月別、年別の平均値や合計値といった統計値である。例えば、2月の日最低気温の月平均値は、3.3度低く計算されていたメッシュも存在した。

 メッシュ平年値2010は2012年9月4日、1981年から2010年までの30年間の調査結果を公表したもの。メッシュ平年値はおよそ10年に1度更新しており、次回は1991年から2020年の統計値を公表する予定だ。

 メッシュ平年値の対象地点は全国38万カ所に及び、実観測地点だけではカバーできない。そのため各メッシュごとに、緯度や経度、海岸距離、標高、陸度といった合計8項目の「地形因子」を定義し、アメダスなどの実観測データに「地形因子」という係数を掛け合わせることで、推定値を導き出している。

 プログラムに不具合があったのは、陸度の計算部分。陸度とは、一定領域における海水域ではない割合を表した指標のこと。メッシュの「地形因子」を決めるには隣のメッシュの情報も参照する必要があるが、陸度に関する情報を取り込むプログラムにバグがあり、陸を海として計算してしまっていたという。

 気象庁は現時点で、2月の日最低気温と月平均気温の二つで誤りがあったことを確認済みだ。今後、降水量などへの影響も確認し、2014年3月末までには、再計算を実施するとしている。