日本マイクロソフトは2014年1月30日、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大なデータに関連する同社製品についての記者説明会を開催。2月上旬発売予定の「Power BI向けExcelアドイン」や「Power BI for Office 365」を用いて、データ分析からレポート作成をするまでのデモを行った。
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部の斎藤泰行シニアマネージャーによれば、同社は「ビッグデータの民主化」をビジョンとして掲げている。
これまでビッグデータという言葉には、膨大なデータを集め、それを分析能力に秀でた「データサイエンティスト」が分析するというイメージがあった。これに対して同社では、データ量にかかわらず、これまで使われていなかったデータから付加価値を生み出すことが重要だと考える。そして、データサイエンティストのような特別な人材ではなく、現場の社員が直接データを活用できることを目指すという。
そのために同社が着目したのが、10億人のユーザーがいるというExcelだ。通常Excelは100万件までのデータしか扱えないが、2月に登場するアドインを組み込むことで、パソコンのメモリーの限界までデータを利用できるようになる。デモでは、同社Officeビジネス本部の輪島文氏が、架空のコーヒーショップのエリアマネージャーが、Excel上で店舗の売り上げやTwitterのログを分析し、レポートを作成する様子を紹介した。
また、ゲストとして日本テレビ放送網編成局メディアセンターの安藤聖泰氏や、東急百貨店営業政策室の須崎直哉課長が登壇し、自社でのPower BI活用事例を紹介した。
「Power BI向けExcelアドイン」は、「Office Professional Plus 2013」か「Office 365 ProPlus」のユーザーが利用できる、無料の追加機能。(1)社内外の情報を検索して、Excelで取り扱える形に変換する「Power Query」、(2)取り込んだデータをインメモリー技術で素早く分析できるようにする「Power Pivot」、(3)簡単な操作でデータをグラフなどで視覚化できる「Power View」、(4)地図上にデータの集計結果を分布させることができる「Power Map」――などの機能を備える。
「Power BI for Office 365」は、Office 365およびSharePointユーザーの追加機能として販売される。(1)分析したデータを社内で共有するための「Power BIサイト」、(2)データを自然言語で抽出できる「Power BI Q&A」、(3)タブレットなどからタッチ操作でデータにアクセスできる「Power BI Windowsストアアプリ」――などの機能で構成されている。
Power BI for Office 365には4種類ある。1ユーザー当たりの月額料金(税別)は、SharePointユーザー向けの「Power BI add-on for SharePoint Online Plan 2 Subscribers」が33米ドル。Office 365 Enterpriseユーザー向けの「Power BI add-on for Office 365 E3/E4 Subscribers」が33米ドル。「Power BI Standalone」が40米ドル。「Power BI Standalone + Office 365 ProPlus」が52米ドルとなる。日本円での価格は後日発表される。