三菱総合研究所(MRI)と日本ビジネスシステムズ(JBS)は2014年1月31日、業務・資本提携を発表した。JBSの第三者割当増資をMRIと子会社の三菱総研DCS(MRI・DCS)が共同で、JBSの発行済株式総数の21%を引き受ける。内訳はMRIが16%、MRI・DCSが5%。

 3社は2つの事業で業務提携する。1つめは「コラボレーションプラットフォーム事業」。企業内や企業間のコミュニケーションや情報共有に必要な情報インフラの構築や関連サービスの提供だ。

 2つめは「ヒューマン・クロス・ICT」と呼ぶ新規開拓分野。SNSやモバイル端末などを活用して、人が柔軟な環境下で能力をさらに発揮できるようにするICT環境や、その構築サービスなどを開発し提案していく。3社はこれらの協業分野の売り上げ目標として、3年後に30億円を見込む。

 JBSはこれまで、ExchangeやSharePointなど、マイクロソフトの製品やサービスによる情報インフラの構築と運用支援を多く手がけてきた。顧客には三菱東京UFJ銀行をはじめとするMUFG関連企業も含まれる。一部、アプリケーション構築も手がけてはいるものの、業務改革コンサルティングなど上流のサービスは手がけていない。

 一方、MRIは公共分野や民間企業向けに、業務改革や情報化戦略策定などのコンサルティングサービスを手がけてきた。子会社のMRI・DCSは金融分野を中心に、業務システムの構築・運用やアウトソーシングなどのサービスを提供しているが、金融以外の分野はまだ開拓できていなかった。

 3社の得意分野を組み合わせることで、企画段階から構築、運用までのサービスを提供する体制を確立し、互いのターゲット顧客へのクロスセリングを進める。

 MRI・DCSの売上高は464億円(2013年9月期)で、MRIグループのITサービス事業600億円(2013年9月期)の7割以上を占める。JBSの売上高(連結)は230億円(2013年度9月期)。