米IDCが現地時間2014年1月29日に公表したタブレット端末市場に関する調査によると、2013年の世界出荷台数(速報値)は前年比50.6%増の2億1710万台となり、2億台の大台を突破した。

 また2013年第4四半期(10~12月)の出荷台数は7690万台で、前の四半期から62.4%増加、前年同期から28.2%増加した。世界タブレット端末市場の成長は依然目覚しいものがあるが、1年前に当たる2012年第4四半期の前年同期比伸び率(87.1%増)と比較すると著しく減速している。

 IDCのリサーチディレクター、Tom Mainelli氏によると、米国などでは消費者市場で普及率が飽和状態に到達しつつあるという。「新興国市場は引き続き力強く成長しているものの、過去数年間にあった世界市場の劇的な成長水準を維持するには不十分だった」(同氏)。

 2013年第4四半期のメーカー別出荷台数は、米Appleが2600万台で首位を維持した。2位は韓国Samsung Electronicsの1450万台。この後、Amazon.comの580万台、台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の390万台、中国Lenovo Group(聯想集団)の340万台と続いた。

 このうちAppleの「iPad」は四半期の出荷台数として過去最高を記録した。だが、同社の前年同期比伸び率は13.5%増と、市場全体の28.2%増を大きく下回った。同社の市場シェアは前年同期から4.4ポイント低下し33.8%になった(関連記事:Appleの10~12月期決算は過去最高の売上高、iPhoneは記録更新だが市場予測を下回る)。

 2位のSamsungの出荷台数は前年同期から85.9%増。市場シェアは同5.8ポイント増の18.8%。Samsungは幅広い製品ラインアップと通信キャリアへの対応強化がシェア拡大につながったとIDCは分析している。

 このほかAmazon.comの出荷台数は前年同期から1.7%減、ASUSは同25.8%増、Lenovoは同325.0%増だった。Lenovoは新興国市場に強く、パソコンやスマートフォンの市場でもシェアを伸ばしている。これらが奏功し2014年はタブレットの出荷台数を伸ばせるとIDCは予測している(関連記事:Lenovo、GoogleからMotorola Mobilityを29.1億ドルで買収)。

[IDCの発表資料]