写真●米レッドハットミドルウェア事業部門のプラカッシュ・アラジャJBoss BRMS/BPM Suite製品担当ディレクター(右)とフィル・シンプソンJBoss BRMS/BPM Suite 製品マーケティングマネージャー
写真●米レッドハットミドルウェア事業部門のプラカッシュ・アラジャJBoss BRMS/BPM Suite製品担当ディレクター(右)とフィル・シンプソンJBoss BRMS/BPM Suite 製品マーケティングマネージャー
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 2014年1月末、米レッドハットはBRMS(ビジネスルール管理システム)ソフトとBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ソフトの新版をリリースする。日本でも2月には提供を開始する予定だという。

 両製品で採用している技術要素に変更を加えるとともに、新機能を追加した。ミドルウェア事業部門のプラカッシュ・アラジャJBoss BRMS/BPM Suite製品担当ディレクターは、「BRMS市場において当社はリーダーだ。競合他社には実現が難しい機能を提供できる」と、自信を見せる(写真)

 今回リリースするBRMS製品の新版は「JBoss BRMS 6.0」。フィル・シンプソンJBoss BRMS/BPM Suite 製品マーケティングマネージャーが、「非常に特徴的」と胸を張るのは、「プランナー機能」だ。これは、複数のビジネスルールにおける制約条件を満たしつつ、スケジュールや人的リソースの配分などの最適解を、自動で導出する機能である。

 採用する技術も更新・変更した。ルールエンジンには従来、「Drools 5」シリーズを使用していたが、「Drools 6.0」を採用。「高いパフォーマンスを発揮できる」と、アラジャディレクターは説明する。

 ビジネスルールを格納するリポジトリに関しては、全面的に変更した。今までは、「JCR(Java Content Repository)」を使用していたが、新版では「git」ベースのものを利用する。「コミュニティが活発で、多くの企業に応える柔軟性な機能拡張ができる」(アラジャディレクター)。

 BPMソリューションの新版としては、「JBoss BPM Suite 6.0」を発売する。米レッドハットは、2012年8月にビジネスプロセス管理ツールの米Polymitaを買収。同社の技術を多く取り込んだという。

 例えば、ビジネスプロセスの監視とレポーティングの機能を提供する「BAM(Business Activity Monitoring)」、定義したビジネスプロセスに不都合がないかといったことをシミュレーションできる「BP Sim」などが、これに当たる。

 BRMSソフトなどを使うメリットは、業務部門がビジネスルールの作成や変更をしやすい点にある。シンプソンマネージャーは、「多くの企業がアジャイルである必要性に駆られており、BRMS市場は継続的に伸びている」と話す。市場や法規制などが変化するたびに、プログラム修正などをしていては、「変化の対応に遅れ、競合優位性を失ってしまう」(シンプソンマネージャー)と指摘する。