KDDIは2014年1月30日、2013年度第3四半期の連結決算を発表した。2013年度第1四半期から第3四半期(4月~12月)の合計で、売上高は前年同期比17.3%増の3兆1799億円、営業利益は同34.8%増の5332億円と、共に過去最高の増収増益だった。

 絶好調となった決算内容について、同社の田中孝司社長(写真1)は「パーソナル分野の(モバイルと固定を合計した)通信料収入の拡大が増収増益をけん引した」と説明。パーソナル分野の通信料収入は960億円増となっており、増益貢献は7割にも達するという(写真2)。さらに連結子会社化したジュピターテレコム(J:COM)の影響も寄与した。

 好調な決算内容から、今期の業績予想も上方修正した。売上高は期初予想から1400億円増となる4兆2800億円に、営業利益は同300億円増の6600億円とする。au純増数やau通信ARPU(Average Revenue Per User)も、期初予想から40万増となる270万、同70円増となる4130円に上方修正した。

写真1●KDDIの田中孝司社長
写真1●KDDIの田中孝司社長
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写真2●通信料収入増が増収増益に大きく貢献
写真2●通信料収入増が増収増益に大きく貢献
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「ドコモiPhoneの影響は、想定したよりもよい方向で推移」

 2013年第3四半期は、NTTドコモがiPhoneの導入に踏み切るという競争環境が大きく変わったタイミングだった。2013年12月の携帯電話純増数では、NTTドコモが2年振りに純増トップに返り咲いた(関連記事:2013年12月の携帯電話純増数、ドコモが2年ぶりに首位を奪取)。

 この点について田中社長は「当初は(ドコモiPhoneによって)、相当な影響が出るのではと予想していたが、なんとか3Qは乗り切った。当初予想していたよりもよい方向で推移している。純増数を上方修正したのもそのためだ」と語った。

 主な経営指標について、まずベースとなるau通信ARPUは、第3四半期は前四半期と比べて10円増の4190円となった。四半期ベースのARPUは前年同期比0.7%減まで状況が改善した。田中社長は「期初にコミットした第4四半期での前年同期比反転は、達成はほぼ大丈夫な状況」とした。