写真1●1時間に4万8000個の荷物を仕分けするクロスベルトソータ。分岐時に底面をスライドさせて、荷物の損傷を防ぐ
写真1●1時間に4万8000個の荷物を仕分けするクロスベルトソータ。分岐時に底面をスライドさせて、荷物の損傷を防ぐ
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写真2●巨大施設の設備稼働状況をモニターする集中管理室。羽田クロノゲートの「頭脳」だ
写真2●巨大施設の設備稼働状況をモニターする集中管理室。羽田クロノゲートの「頭脳」だ
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写真3●プロジェクションマッピングを使ったプレゼンテーション。地図上で荷物の動きと時間を追う
写真3●プロジェクションマッピングを使ったプレゼンテーション。地図上で荷物の動きと時間を追う
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 ヤマトホールディングスは、国内最大の物流拠点「羽田クロノゲート」に、2014年2月4日から見学コースをオープンする。最新鋭の物流設備に加え、プロジェクションマッピングを駆使したプレゼンテーションで、家電の回収・修理サービスなどの流れを把握できる。

 2013年10月に稼働した羽田クロノゲートは、宅急便の即日配送に加え、B to Bの荷物輸送に特化したグループ各社のサービスを、ワンストップで提供する役割を担う。例えば、グループ企業のヤマトマルチメンテナンスと連携し、故障した家電を家庭から回収して羽田クロノゲート内で修理。宅急便を使って48時間以内に返送する、といった付加価値サービスを提供する。

 見学コースは、こうしたサービスの価値を分かりやすく来場者に伝えることを狙う。一般来場者に加え、法人顧客の来場も見込む。

 約90分の見学コースでは、荷物を高速で移動させながら行き先別に仕分けする「クロスベルトソータ」(写真1)や、上層階から下層階まで一気通貫で荷物を移動させる「スパイラルコンベア」の稼働状況などを見ることができる。各設備の稼働状況や作業の進捗状況をリアルタイムでモニタリングし、設備の異常などを素早く検知する集中管理室も見学できる(写真2)。

 さらに、付加価値サービスを体感してもらうため、プロジェクションマッピングを使ったプレゼンテーションも提供(写真3)。地図を使って、「海外から輸入した部品を、羽田クロノゲートでマージし、各地の工場に配送する」「地方の病院で使った手術器具を、宅急便で回収して羽田クロノゲート内で洗浄、殺菌し、別の病院に貸し出す」といったサービスが、どのように進行するかを具体的に示す。

 ヤマトがこうした情報を発信する主な対象は、物流コストの削減や新しいビジネスの立ち上げを図る企業。とはいえ「小学校高学年の子供にも分かるよう、情報の見せ方に様々な工夫を凝らした」(広報担当者)という。ゲーム仕立てでサービスを体感するコーナーもあり、家族で見学しても楽しめそうだ。