写真1●実証実験の構成。デモ内容と結果は前回とほぼ同じなので、詳細は関連記事(ソフトバンクモバイルが3.5GHz帯でLTE-A TDD実験、500Mbps前後の安定したスループット)を参照
写真1●実証実験の構成。デモ内容と結果は前回とほぼ同じなので、詳細は関連記事(ソフトバンクモバイルが3.5GHz帯でLTE-A TDD実験、500Mbps前後の安定したスループット)を参照
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写真2●静止時にスループットは700Mビット/秒超を記録
写真2●静止時にスループットは700Mビット/秒超を記録
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 ソフトバンクモバイルは2014年1月24日、東京都内の銀座地区で実施している3.5GHz帯を利用したLTE-AdvancedのTDDによる実証実験を関係者に向けて公開した。

 同社が3.5GHz帯を利用したLTE-AdvancedのTDDによる実証実験を、外部に公開するのは2013年8月末に続いて2度目(関連記事:ソフトバンクモバイルが3.5GHz帯でLTE-A TDD実験、500Mbps前後の安定したスループット)。前日に当たる1月23日には総務省にて、携帯4社の社長が揃い踏みした3.5GHz帯割り当てに関する公開ヒアリングが開催されている(関連記事:総務省がLTE-Advanced向け周波数割り当てで公開ヒアリング、携帯4社の意見はほぼ一致)。このタイミングでの実験の再公開は、3.5GHz帯の割り当てに向けた積極アピールと考えられる。

 公開した実証実験内容は、2013年8月の時とほぼ同じ。3.5GHz帯(3480M~3560MHz帯)の80MHz幅を使い、4×4 MIMO構成、TDDの下りと上りの比率はConfig 5と呼ばれる8:1のモードを使用。この構成では理論値が下り最大1Gビット/秒程度となる。

 実験は、銀座の中に9局立てた基地局の中を、端末を載せたバスが走る形で実施(写真1)。静止時では700Mビット/秒超のスループット、移動時でも500Mビット/秒のスループットとなる様子を見せた(写真2)。今回の実証実験は、KDDI関係者も見学したという。

 なおNTTドコモやKDDIも、3.5GHz帯近傍の帯域を利用したLTE-Advancedの実証実験を進めている。NTTドコモは、YRP(横須賀リサーチパーク)地区や神奈川県相模原市で3.9GHz帯の100MHz幅を使ったLTE-Advancedの実験を進めている(関連記事:LTE-Advanced装置や次世代雑談対話エンジンが登場、ドコモが横須賀で技術展示会)。

 KDDIも1月23日に実施した総務省の公開ヒアリングの中で、3.5GHz帯をスモールセル基地局で用いマクロセルで制御信号を担う「C-Plane/U-Plane分離」の実験をフィールドで実施していることを明らかにしている。