NECは2014年1月22日、技術系のベンチャーファンドへの出資を発表した。出資したのは同社傘下のNECキャピタルソリューションおよび三井住友銀行傘下のSMBCベンチャーキャピタルが共同運用する「イノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合(イノベーティブ・ベンチャーファンド)」。NECの出資額は3億円。同ファンドの規模は38億円となる。NECは同ファンドの投資先企業との連携などを通じて、社会インフラやビッグデータといった分野の事業強化を狙う。

 イノベーティブ・ベンチャーファンドは2012年4月25日に設立されたファンドで、その投資対象は、「(1)電子機器材料・電子機器デバイスを含む情報通信、環境、医療関連の基盤技術領域の事業を行う未公開会社で、特に成長性が高く、破壊的イノベーションを起こす可能性のある企業、(2)(1)の企業を主な投資対象とするベンチャーキャピタルファンド」としている。NECとしては同社の資産だけでは取り組むことが難しい分野を、こうした出資などを通してカバーしていくとしている。

 今後、大手企業によるベンチャー企業への出資は一段と活発化しそうだ。2014年1月20日に産業競争力強化法が施行され、それに基づきベンチャー企業への投資に対する法人向けの優遇税制が創設される。具体的には、事業拡張期にあるベンチャー企業に対して、産業競争力強化法に基づいて経済産業大臣に認定された投資事業有限責任組合を通じて出資する企業が、出資額の80%を上限に、損出準備金を積み立て、損金算入できるというものである(経済産業省の企業のベンチャー投資促進税制に関するページ)。