米Appleの電子書籍価格操作問題で連邦地方裁判所が任命した監視員について、第2巡回区連邦控訴裁判所は現地時間2014年1月21日、一時的に待機するよう命じた。

 Appleは、出版大手5社と共謀して電子書籍の価格を不当につり上げたとして2012年に米司法省(DOJ)に提訴され、2013年7月に米シャーマン法(独占禁止法を構成する法令)に違反したとする判決を受けた。ニューヨーク州南部の連邦地方裁判所は同年9月、Appleに対し、出版社との電子書籍契約の見直しや、内部コンプライアンスの社外監視員の雇用を含む是正命令を発行した(関連記事:電子書籍の価格操作問題で米地裁がAppleに是正命令、社外監視員の雇用など)。

 Appleは是正命令の内容を不服として上訴したが、地裁のDenise Cote判事は10月にコンプライアンス監視員として元DOJ監察官のMichael Bromwich氏を任命。Appleは11月、Bromwich氏が任務の権限を逸脱し、なおかつ法外な報酬を要求しているとする苦情を裁判所へ提出した(関連記事:Apple、「社外監視員の報酬が高すぎる」と裁判所に不満を表明)。しかしCote判事は先週、AppleのBromwich氏解任要求を退けた(米New York Timesの報道)。

 米Wall Street Journalが公開した裁判所資料によると、控訴裁は「できる限り早急に」上訴審問を行う予定で、何らかの判断が下されるまでBromwich氏の一時的な待機を命じた。

[裁判所資料(PDF文書)]