米IBMがx86サーバー事業の売却を再び検討していると、複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Financial Timesなど)が、現地時間2014年1月20日までに伝えた。

 同事業の買収に興味を持っている企業には、米Dellや中国Lenovo Group(聯想集団)などが含まれ、数週間のうちに買収提案が出される可能性があるという。

 IBMのx86サーバー事業をめぐっては、2013年4月にLenovoが事業全体あるいは一部の買収に向け、IBMと交渉を行っていたと伝えられた。だがWall Street Journalによると、この時Lenovoが提示した25億ドル未満という価格では折り合わず、交渉は決裂した(関連記事:IBMがx86サーバー部門の売却をレノボと交渉中、米メディアの報道)。

 Financial Timesによると、IBMは低利益事業からの脱却を目指している。同社はこれまでに、パソコンやハードディスク装置などのコモディティ事業を売却し、ソフトウエアやコンサルティングサービスといった高付加価値事業へのシフトを進めてきた。こうした戦略の一環として先ごろは、年内に15カ所のデータセンターを新設し、クラウド事業の強化に向けて12億ドル以上を投資すると発表した(関連記事:IBMがクラウド事業強化計画を発表、12億ドルを投資)。

 IBMのx86サーバー事業の価値について詳細は明らかになっていないが、25億~45億ドルで売却できる可能性があるとFinancial Timesは伝えている。なお、IBMはサーバー部門の売上高内訳を明らかにしていない。Wall Street Journalの記事が引用している米Morgan Stanleyの推計によると、2012年のサーバー売り上げ154億ドルのうち、x86サーバーの売り上げは49億ドルだった。