写真1●IBM System x3850 X6のCPU/メモリーモジュール(eFLash DIMMもここに搭載する)を手に持つ、日本IBM、システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部、システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの早川哲郎氏
写真1●IBM System x3850 X6のCPU/メモリーモジュール(eFLash DIMMもここに搭載する)を手に持つ、日本IBM、システム製品事業本部 x/Pureセールス事業部、システムズ&テクノロジー・エバンジェリストの早川哲郎氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●IBM System x3850 X6の外観
写真2●IBM System x3850 X6の外観
[画像のクリックで拡大表示]

 日本IBMは2014年1月17日、PCI Express接続型よりも低遅延で高速なローカルストレージ技術として、メインメモリーのDIMMスロットに挿して使う「eXFlashメモリー・チャネル・ストレージ」を発表した(写真1)。メモリーインタフェースを介してストレージにアクセスする仕組み。このためのフラッシュストレージ「eFLash DIMM」とソフトウエア技術を、PCサーバーの新世代「X6」向けに提供する。eFLash DIMMの容量単価は、同社が販売するPCI Express接続型フラッシュストレージ(米Fusion-io製)よりも3割ほど安くする。

 eXFlashは、メモリースロット直結型のDIMM形状のストレージを実現する技術である。既存のメモリーコントローラーをそのまま使って、メインメモリーのチャネル(DDR3)を介してアクセスする。DIMM型のストレージ本体(eFLash DIMM)側には、I/O割り込みを制御する機構などを搭載し、メモリーチャネルを介したアクセスと内蔵フラッシュへのストレージアクセスを変換する。OS/ソフトウエア側の制御によって、eFLash DIMMをローカルストレージとして認識できるようにする。

 eXFlashの特徴は、CPUコアとメインメモリー間の通信チャネルという、CPUパッケージの外部インタフェースの中でも特に低遅延で広帯域なチャネルを利用すること。これにより、ストレージアクセスの遅延時間は5~10マイクロ秒となり、PCI Expressバス接続型と比べて最大で3倍向上するという。帯域(転送速度)の参考値としては、PCI Express 2.0が2Gバイト/秒なのに対し、DDR3メモリースロットは12.9Gバイト/秒である。

 想定する用途の一つは、eXFlashを高速で大容量なストレージキャッシュとして使い、大容量データの分析を高速化するというもの。同社では、DBMSなどのミドルウエアに応じてリファレンスアーキテクチャー(参照構成)を用意し、これを販売するとしている。DB2用、SAP HANA用、SQL Server(Data Warehouse)用、などを提供する。

 eXFlashを利用可能なX6世代のPCサーバーとしては、2014年第1四半期(1~3月)から、以下の3機種を順次出荷する。4Uラックマウント型サーバー(4ソケット)の「IBM System x3850 X6」(写真2)、8Uラックマウント型サーバー(8ソケット)の「IBM System x3950 X6」、ブレードサーバー向けサーバーノード(2~8ソケット)の「IBM Flex System x880」---である。