米連邦取引委員会(FTC)は現地時間2014年1月15日、子ども向けモバイルアプリケーションの販売を巡る問題で米Appleと和解したと発表した。子どもが親の承諾なしに実行したアプリ内購入の代金をAppleが不当に高額請求したとしてFTCが訴えていたもので、Appleは払い戻しを求める消費者に全額を返金する。少なくとも3250万ドルにのぼる見通し。

 FTCによると、Appleが「App Store」で提供している多くの子ども向けアプリケーションでは、子どもがアプリ内購入を行うために親が1度パスワード入力を承認すると、15分間は親の介入なしに仮想アイテムや仮想通貨などを無制限でアプリ内購入できる。FTCは、Appleがアカウント保持者である親に対してこうした事実の説明を怠り、FTC法に違反したと主張していた。

 またFTCは、パスワードを入力すると購入が完了することを明示しないまま、親にパスワード入力を促す画面が表示されたことについても指摘した。

 FTCによれば、Appleには子どもによるアプリ内購入に関してこれまで数万件以上の苦情が寄せられており、中には子どものアプリ内購入に2600ドルを請求された消費者もいるという。

 Appleは代金返還に加え、2014年3月31日までに請求慣行を変更することが求められる。変更後は、アプリ内購入の対価を請求する前に、詳しい情報を得た上での明らかな合意を消費者から取得する。また、消費者が将来的な課金に同意した場合でも、任意の時点で同意を取り消せる手段を提供する。

 和解の成立は、30日間の意見募集期間を経て、2月14日以降に最終判断が下される。

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