写真1●パナソニックが2014年1月15日に発表したノートパソコンの新機種「Let's note CF-MX3」
写真1●パナソニックが2014年1月15日に発表したノートパソコンの新機種「Let's note CF-MX3」
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写真2●パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長
写真2●パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長
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写真3●穴を空けて軽量化を図った内蔵光学ドライブユニット(手前)
写真3●穴を空けて軽量化を図った内蔵光学ドライブユニット(手前)
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写真4●CF-MX3を手に説明するAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部テクノロジーセンターの坂田厚志・主幹技師
写真4●CF-MX3を手に説明するAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部テクノロジーセンターの坂田厚志・主幹技師
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写真5●専用スタイラスペン(右)で手書き入力したところ
写真5●専用スタイラスペン(右)で手書き入力したところ
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 パナソニックは2014年1月15日、ノートパソコン「Let's note(レッツノート)」の2014年春商戦向け新製品の発表会を開催した。タブレット状に変形する12.5型ノートパソコン「Let's note CF-MX3シリーズ」(写真1新製品記事)を披露。ビジネス用途で重要になる光学ドライブ(スーパーマルチドライブ)やタッチ、ペン、各種コネクターなどの多様なインタフェースを内蔵しながら、重さ約1.2kgという軽量化を実現したことをアピールした。

 CF-MX3の発売は2月14日。5%消費税込みの実勢価格は約20万円から(詳しいラインアップ・仕様は関連記事参照)。

 パナソニックは11.6型変形ノート「CF-AX3」(関連記事)を販売中だが、従来機では光学ドライブを省いている。ディスクの傾きが変わる変形ノートに光学ドライブを内蔵するのは構造上難しかったからだ。

 AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長(写真2)は「お客様の声を聞いていると、『ビジネスの現場では客先でDVD再生するなどの機会が多く、光学ドライブを内蔵してほしい』という要望が強かった。CF-MX3は光学ドライブを含めてビジネス用途で使える“全部入り”の2-in-1(ツー・イン・ワン)パソコンに仕上げたかった」と説明した。

 光学ドライブを制御するため、独自にファームウエアを開発。傾きを検知して光学ドライブモーターの回転速度を落とすように細かく制御し、DVDなどのディスクが傾いている時でも再生状態を維持できるようにした。さらに、ドライブ内蔵により増えた分の重量を切り詰めるため、強度に影響のない範囲に部品に穴を空けるなどして、十グラム単位の軽量化を図り、総重量を1.2kg以内に抑えた(写真3)。

 手書き入力用の専用スタイラスペンを標準搭載したのも大きな特徴である。AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部テクノロジーセンターの坂田厚志・主幹技師(写真4)は「ビジネスの現場でいつでも使えるという利便性を考え、重みがあって電池切れがあるデジタイザーペンではなく、電源が要らない静電誘導式のペンを採用した」と説明する。

 専用スタイラスペンは重さ約5gで、ペン先は直径2mm。ペン先に書き心地を高める素材を使ったり、タッチディスプレイにペン入力のノイズを低減する仕組みを採用したりして、入力の精度を高める工夫をしている(写真5)。

 ノートパソコン市場全体は、低価格化やタブレットなど代替品の脅威にさらされて厳しい状況にある。だが原田事業部長は「法人・ビジネス用にターゲットを絞ってきた当社は、今年4月の『Windows XPサポート終了』の追い風もあり、持続的な成長を遂げている」と話した。具体的な数値は明かさなかったが、パソコンを含むITプロダクツ事業で2014年3月期に前期比10%以上の売上高増を見込んでいるようだ。