写真●Anuta nCloudX 2.0の画面
写真●Anuta nCloudX 2.0の画面
[画像のクリックで拡大表示]

 ネットワールドは2014年1月15日、クラウド運用基盤ソフトの一つで、既存のネットワーク機器をそのまま使いながら動的にネットワークをプロビジョニングできるようにするソフトの新版「Anuta nCloudX 2.0」(写真)を発表、同日販売を開始した。新版では、機器を新規導入した際の初期構成も自動化するなど、機能を強化した。さらに、連携できるクラウド運用基盤を増やし、制御可能なネットワーク機器を増やした。開発会社は、米Anuta Networks。

 Anuta nCloudXは、抽象化したネットワークの構成アイコンをGUI上で並べることによってネットワークを構築/配備できるようにしたクラウド運用ソフトである(関連記事:ネットワールド、既存ネットワーク機器を動的配備する「Anuta nCloudX」を販売)。ネットワーク構成をサービスカタログ化できる。最大の特徴は、こうした動的なプロビジョニングを、仮想サーバーではなく既存の物理ネットワーク機器をそのまま使って実現していることである。

 クラウド全体を管理している外部のクラウド運用ソフトからは、ネットワーク構成のサービスカタログを、Anuta nCloudXのREST APIを介して指定する。これにより、必要なネットワーク構成を配備できる。一方、個々のネットワーク機器の設定は、これまで通りAnuta nCloudXからネットワーク機器にリモートアクセスし、コマンド(CLIやAPI)を介して変更する仕組み。

 新版では、いくつかの新機能を追加した。

 「テンプレートスクリプト機能」は、Anuta nCloudXでネットワーク機器を制御する以前の段階として、ネットワーク機器を新規に追加導入した時に、初期設定スクリプト(内容は決め打ち)を適用する機能である。「動的サービスプロビジョニング」は、プロビジョニング済みのネットワーク構成を生かしたまま、構成の一部を上書き変更する機能である。例えば、ロードバランサーの負荷分散先のサーバー台数を動的に増減するといった制御が簡単にできるようになる。

 このほか、「IPアドレス管理機能」は、複数のIPアドレス群をひとまとまりにして設定時に利用できるようにする。「サービスオーダーワークフロー」は、ネットワーク構成の配備についての申請ワークフロー機能である。

 新版ではまた、連携可能な外部クラウド運用ソフトを増やし、従来のVMware vCloud Directorに加えて、新たにCloudStackとOpenStackから利用できるようになったとしている。さらに今回、Anuta nCloudXから制御可能なネットワーク機器を増やした。Anuta nCloudXは元々、ベンダー各社のネットワーク機器を制御できるが、今回新たに「Juniper SRX」(米Juniper Networks)、「BIG-IP Local Traffic Manager/VIPRION」(米F5 Networks)、「Brocade MLX/VDX」(米Brocade Communications Systems)の3つを追加した。

 Anuta nCloudXの参考価格(税別)は、Anuta nCloudXで構成したネットワークに対するサーバーからのアクセスポート数(ネットワーク上で動作している仮想サーバーの仮想NICの数)で決まり、ポート当たり月額3500円。販売目標は、3年間で20億円である。