米Wall Street Journal(WSJ)は現地時間2014年1月14日、米Apple製品の製造を手がける中国Foxconn Technology(富士康科技)が、約140万台の「iPhone 5s」をChina Mobile(中国移動)に出荷したと報じた。この初回出荷分は、China Mobileが1月中に販売するiPhone 5sのすべてを示しているわけではない。だが7億6000万人超の加入者を持つ世界最大の通信キャリアにおけるiPhoneの初期需要を把握する助けになると同紙は伝えている。

 同紙によると、事情に詳しい関係者は「100万台、あるいはそれ以上という数は、キャリア1社に対する1カ月の出荷台数として相当な量」と話している。またこの人物は「AppleはChina Mobileへの次回の出荷分についてFoxconnにまだ伝えておらず、我々は2月以降の台数を把握していない」とも付け加えている。

 Appleは昨年12月、China MobileがiPhoneを販売することで同社と複数年の契約を結んだと発表した。これにより中国では1月17日からChina Mobileの通信ネットワークに対応した「iPhone 5s」と「iPhone 5c」が販売される(関連記事:China Mobileが1月17日にiPhone販売を開始、Appleが提携を正式発表)。

 WSJによると、China Mobileとの契約によりAppleは2014年にiPhoneの販売台数を1000万~3000万台増やせるとアナリストらは見ている。同国におけるこれまでの1カ月当たりのiPhone販売台数は約200万台だったため、毎月100万台以上の追加は大きな効果をもたらすと米Gartnerのアナリストは話している。

 一方で、ここ最近は競争が激化しており、より大きなディスプレイを備えるライバルメーカーの端末に人気が集まっている。WSJが引用した英Canalysの調査によると、2013年7~9月期の中国スマートフォン市場におけるAppleのシェアは6%。トップは、韓国Samsung Electronicsの21%で、中国Lenovo Group(聯想集団)の13%がそれに続く。Appleのシェアは、中国Yulong Computer Telecommunication Scientific(宇竜計算机通信科技)と中国Huawei Technologies(華為技術)を下回り、第5位だった。