写真●パシフィックビジネスコンサルティングの小林敏樹社長
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 ITコンサルティングのパシフィックビジネスコンサルティングは2014年1月14日、日本マイクロソフトと協業して製薬業界向けERP(統合基幹業務)ソフト「AX for Pharma」を4月から日本市場で販売すると発表した。

 米マイクロソフト(MS)のERPパッケージ「Microsoft Dynamics AX」に追加して動作するMS製のアドオン製品で、ソフトウエアの画面や関連ドキュメントをパシフィックビジネスなどが日本語化して提供する。医薬品などの品質管理基準「GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)」への対応を支援する機能を備えることなどが特徴。米SAPなど大手のPRPパッケージと比べた割安さを訴求して、日本市場での普及を目指すという。

 GMPは米FDA(食品医薬品局)が定めた医薬品や化粧品などの製造品質管理を定めた基準で、日本でも2014年度内にも導入が見込まれているという。AX for PharmaはGMPの監査で求められる情報をレポートとして出力するなどGMP向けの支援機能モジュールを用意する。

 パシフィックビジネスによれば、DynamicsとAX for Pharmaのセット導入は競合するERPと比べて「ライセンス費用が30~50%、導入費用が20~35%、保守費が20%以下に収まる」(小林敏樹社長、写真)という。3000人規模での同時利用ユーザーを収容でき、中堅企業だけでなく1000億円以上の大企業の開拓も狙う。

 既に国内外の製薬業界はSAPを筆頭に大手のERPパッケージを導入済みだ。小林社長は「本社がSAP製品でも、海外支社をSAPで展開するかどうか迷っている企業は多い」と指摘。日本企業がERPをグローバル展開する際に、導入費用を抑える手段として提案していく考えだ。並行して、本社を含めた競合他社からのリプレースも狙うという。