図1●走行デモには多くの報道関係者が集まった
図1●走行デモには多くの報道関係者が集まった
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 “EV版のF1カー”が動いた。英Formula E Holdings社や米Qualcomm社などは2014年1月6日、電力のみを動力とするフォーミュラー・カーのレース「Formula E」に用いる車両「Spark-Renault SRT_01E」の走行デモを初披露した(図1)。米国最大の民生機器関連の展示会「2014 International CES」(米国ラスベガス、2014年1月7日~10日)の開幕前日に、「Mandalay Bay Resort & Casino in Las Vegas」の駐車場で実施した。

 Formula Eは、2014年9月20日に中国の北京での開幕を皮切りに、ロサンゼルスやモナコ、ベルリンなど世界各地を巡り、2015年6月27日にロンドンで最終戦を迎える予定で、全10戦が計画されている。最高速度は時速225km。搭載する2次電池もしくはキャパシタの総質量は200kg以下となっている。

 車体に配置されたロゴの中で、一際目を引くのは米Qualcomm社のもの。同社は、Formula EのTechnology Partnerとして複数年契約を結んでいる。具体的には、ワイヤレス給電とデータ通信を中心にFormula Eを支援するという。走行デモの前に開いた記者発表会には、Qualcomm社Chairman兼CEOのPaul E. Jacobs氏が登場した。

 駐車場での走行デモでは公式テスト・ドライバーであるLucas di Grassi氏がステアリングを握り、急加速やスピンなどを披露した。EVのためエンジン音はなく、モータ音が響く程度の静かなものだった。

 なお、今回のCESの開幕に合わせて、ラスベガスの公道で撮影したFormula E carの映像も公開された(下の動画)。