図1●登壇したBob Carter氏
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図2●走行実験を進めているFCVの試作車
図2●走行実験を進めているFCVの試作車
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図3●FCVの試作車には米国ミシガン州のナンバープレートが付いていた
図3●FCVの試作車には米国ミシガン州のナンバープレートが付いていた
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 トヨタ自動車は、米国最大の家電見本市「2014 International CES」(米国ラスベガス、2014年1月7日~10日)の開幕前日に記者発表会を開催し、米国市場における燃料電池車(FCV)の市場投入計画を明らかにした。2015年に量産車を投入することに加えて、水素インフラの拡充に向けて取り組む姿勢を示した。

 「我々はFCVの普及に向けて解決しなければならない課題を認識している」――。こう話すのは、米Toyota Motor Sales(TMS), U.S.A社でSenior Vice Presidentを務めるBob Carter氏である(図1)。同氏は普及の課題として、(1)リーズナブルな価格で提供することと、(2)水素インフラを整備することの二つを挙げた。

 1点目の車両価格については、燃料電池スタックや水素タンクなどで構成する燃料電池システムのコストを「2002年の試作車に比べて95%削減した」(Carter氏)という。同社は2015年にFCVを米国を含めて市場投入する計画で、今回の発表会でも「Very Reasonable Price」という言葉を何度も使って価格面の不安を払しょくしようとしていた。

 2点目の課題である水素インフラに関しては、米国カリフォルニア州を実例とした予測を示した。カリフォルニア州は一定量以上のZEV(zero emission vehicle)販売が義務づけられており、走行中にCO 2を排出しないFCVへの関心は高い。同州は水素インフラの整備に対して2億米ドルの投資を承認している。

 トヨタ自動車らが調査したところによると、カリフォルニア州の主要地域で1万台のFCVを運用するには、68カ所の水素ステーションが必要になるという。こうした調査に基づいて、トヨタ自動車はカリフォルニア州と、2015年までに新たに20カ所、2016年までにさらに40カ所の水素ステーションを設置する検討を進めていることを明かした。

 記者発表会では、FCVのコンセプト「FCV CONCEPT」と、走行実験を進めているFCVの試作車を公開した(図2図3)。FCV CONCEPTは、2013年11月開催の「第43回東京モータショー2013」で、FCVの試作車は同10月の「2013年先進技術説明会」でそれぞれ公開されているもの。いずれも米国での公開は初めて。