米IBMは現地時間2014年1月9日、人工知能コンピュータ「Watson」を中核とした新たな事業「Watson Group」を立ち上げると発表した。10億ドル以上を投じ、クラウドを介したWatson活用の促進に取り組む。
IBMは様々な情報源から収集および統合した大量データを瞬時に分析するシステムを「コグニティブ(認知)」コンピューティングと呼んでいる。Watsonは同社におけるコグニティブコンピューティングの代表的技術で、3年前にテレビのクイズ番組「Jeopardy」に出演し、人間と対戦したことで話題となった。
Watson Groupでは、クラウドベースのコグニティブアプリケーションおよびサービスの提供に向けた研究開発に焦点を当てる。1億ドルのベンチャー投資ファンドを設立し、Watson対応のアプリケーションを開発するベンチャーなどを支援する。
Watson Groupはニューヨーク市に新たに本拠を設置し、同社Software Solutions Group上級バイスプレジデントを務めたMichael Rhodin氏が指揮を執る(写真)。約2000人の専門家で構成し、同社の研究部門のほか、サービス、ソフトウエア、システム部門などから人材を集める。
またIBMは、同事業のサービスとして、製薬やバイオテクノロジー業界の研究開発プロジェクトを支援する「IBM Watson Discovery Advisor」、ビッグデータ解析を視覚的に提供する「IBM Watson Analytics」、企業内の洞察共有を支援する「IBM Watson Explorer」を発表した。