米Appleと韓国Samsung Electronicsがモバイル関連の特許訴訟に関して調停に参加することで同意したと、複数の海外メディア(Wall Street JournalReutersNew York TimesInfoWorldなど)が現地時間2014年1月9日に報じた。2月19日までに、両社の最高経営責任者(CEO)が和解の道を探るべく協議する。両社の弁護士が共同で米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所に提出した書類から分かった。

 裁判所への書類によると、AppleとSamsungの法務顧問は1月6日に会合を持ち、調停人に会うことで合意。調停人は、注目度の高い争いを解決した経験のある人物だという。調停には、AppleのTim Cook CEOとSamsungのOh-Hyun Kwon CEOが複数の社内弁護士を伴って出席し、社外弁護士は同席しない。

 両社の係争は2011年にAppleがSamsungを特許侵害で提訴したことに端を発し、米国をはじめドイツ、オランダ、オーストラリアなど複数の国で訴訟を繰り広げている。

 カリフォルニア州連邦地裁は2012年8月、Samsungによる特許侵害行為を認め、同社に10億5000万ドルの損害賠償支払いを命じた。その後賠償額の見直しが行われ、減額されている(関連記事:AppleとSamsungの特許訴訟、賠償額見直し裁判で2億9000万ドルの評決---米報道)。

 同地裁で3月に予定されている審問は、Samsungの人気モデル「Galaxy S III」が対象に含まれるため、もし特許侵害が認められた場合、影響はいっそう大きいと見られている。

 同地裁は2013年11月、両社に対し、2014年3月に始まる審問の前に、和解に向けた提案を行うよう求めていた。

 両社による和解に向けた動きは過去にもあったが、いずれも失敗に終わっている。