韓国Samsung Electronics社は、1月10日まで開催中の民生機器関連の展示会「2014 International CES」で、4K×2K(3840×2160)画素の映像を放送する枠組みをアピールしている。同社のブースでは4K映像を地上放送で4Kテレビに送信する実験を見せているほか、ケーブルテレビ(CATV)や衛星放送事業者と連携した取り組みを紹介。次世代の4K放送の現実味が高いことを参加者に示した。

Samsung社は、展示会場で地上波による4K放送実験のデモを見せた
Samsung社は、展示会場で地上波による4K放送実験のデモを見せた
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 地上放送関連では、米国で多くの地方局を運営するSinclair Broadcast Group(SBG)社や、放送関連技術の米Acrodyne Service社と共同で会場に放送波の受信環境を構築し、実際の放送波で受信した4K映像を表示してみせた。

 展示会場近郊の山から4K映像を放送波で送信し、会場の屋上に設置したアンテナとテレビに内蔵したチューナーで受信した。放送波の変調方式はOFDMで、次世代の動画圧縮方式「H.265/HEVC」を用いて6Mビット/秒で符号化した映像を送信している。

 HEVCは現在主流の動画圧縮規格「H.264/MPEG-4 AVC」の次を担う技術。2013年に規格が固まった。H.264の2倍の圧縮率を実現できることから4K映像の圧縮技術として注目を集めており、今回のCESではHEVCのデコーダー回路を大画面テレビに標準搭載する動きが広がっている。

 Samsung社はデモの展示で米国の現行デジタル放送方式「ATSC」と同じレシーバーを用いているとし、次世代の4K放送に移行する準備はできていると強調していた。