Tegra 3ベースのインパネ NVIDIAのデータ。
Tegra 3ベースのインパネ NVIDIAのデータ。
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VCM NVIDIAのデータ。
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 米NVIDIA社の発表によると(ニュース・リリース)、NVIDIAのVCM(Visual Computing Module)をベースにした三つのシステムが、近日中に、独Audi社の車に搭載される。Audiが「2014 International CES」で行った記者会見で明らかにしたという。

 三つのシステムとは、(1)従来品に比べて性能が2倍に向上したインターネット対応インフォテインメント・システム、(2)車内のインフォテインメント・システムと統合された自動車用タブレット、(3)3Dグラフィカル・ディスプレイを持つ高解像度のデジタル・インストルメント・パネル(ダッシュボード)である。いずれにも使われているVCMとは、NVIDIAのプロセサIC「Tegra」やメモリICなどを実装したボードである(Tech-On!関連記事1)。Tegraには複数の製品があり、プロセサ・コアやGPUコアなどが異なる。つい先日、192コアのGPUを搭載した「Tegra K1」が発表された(同2)。NVIDIAによれば、Tegraの世代が進めば、VCMを差し替えるだけで、機器やシステムを簡単にアップグレードできるという。

 今回発表された3システムのうち、インフォテインメント・システムは、Tegra 2をTegra 3に替えたVCMをベースにしたもので、Tegraの進化によって性能が2倍になったという。Google EarthとGoogle Street Viewを使ったナビゲーションなどの特徴は継承される。

 2番目のシステムは、「Smart Display」という車載用タブレット端末で、Tegra 4ベースのVCMを利用する。ディスプレイは10.2インチ型。温度範囲が-40℃~80℃と広く、走行で生じる衝撃や振動にも耐えられる堅牢な設計だという。OSは最新バージョンのAndroid。リアシート向けで、着脱が可能。車内のオーディオ・システムやビデオ・システムとシームレスに統合されている。

 3番目のシステムは、Tegra 3ベースのVCMを利用した、フルデジタルのインパネ(ダッシュボード)である。12.3インチの高画質ディスプレイで情報を運転者に伝えるバーチャル・コクピットで、Audi TTスポーツ・クーペの2015年モデルに搭載される予定だという。運転者の好みに合わせてダッシュボードをカスタマイズすることができる。