USBの標準規格化団体であるUSB Implementers Forum(USB-IF) は、家電業界の世界最大規模の展示会「International CES 2014」(米国ラスベガス、2014年1月7日~10日)の報道関係者向け事前イベント「CES Unveiled」において、USBの最新仕様に関する動作実演などを披露した。この中で、現在仕様策定中の新しい小型コネクタ仕様「Type-C」についても説明した。2013年12月に発表された通り、2014年中旬の仕様策定を予定しており、「スマートフォンやタブレット端末などの製品に搭載されるのは2015年になるだろう」(USB-IF関係者)との見方を示した。加えて、「Type-Cはスマートフォンやタブレット端末だけでなく、ノート・パソコンのようなやや大きな携帯機器にも搭載されるだろう」(同関係者)。
Type-Cは従来のUSBコネクタに比べて二つの特徴を備える。一つは、表裏どちらでも挿入できる「リバーシブル」に初めて対応にすること。もう一つは、開口部の大きさを従来のMicro仕様と同程度にしつつ、最大データ伝送速度が現行のUSB 3.0の2倍に相当する10Gビット/秒のUSB3.1に対応させることである。
なお、USB 3.0にも、仕様策定時に新たに導入した新しいMicro仕様のコネクタがある。このコネクタは、通称「サイドカー」と呼ばれている。USB2.0用の端子とUSB 3.0用の端子を横並びに配置していることに由来する。この構造のため、開口部の横幅が大きく、スマートフォンなどの小型の携帯機器への採用は難航している。そのため、サイドカー・コネクタではなく、Type-Cがスマートフォンに採用されそうだが、「どのコネクタを搭載するのかはメーカー次第」(前出のUSB-IF関係者)と明言を避けた。
CES Unveiledの会場では、このUSB 3.1によるデータ伝送の動作実演を披露した。ただし、送受信LSIではなく、FPGAを利用していた。
加えて、USBでデータ通信をしながら最大100Wの電力を機器に供給できる仕様「USB Power Delivery Specification(USB PD)」による動作実演も披露した。USB PDに対応したノート・パソコンの試作品に電力を供給して動作させつつ、ノート・パソコンから映像データを外部モニターに出力していた。この電源供給と映像データの伝送をUSB PDを使い実現した。供給した電力は「60~65W程度」である。