mmbiが提供するスマートフォン向け放送「NOTTV」が提供されているモバキャスに向け、簡易受信機が相次いで試作されている。

 モバキャスは現状、スマートフォンに受信機能が搭載されており、通信回線を経由してカギを受け取り、契約者は有料放送のスクランブルを解除している。簡易受信機は、この限定受信機能をICカード上に実装してmmbiが提供するCASクライアントを用いて開発した。このCASクライアントを用いることで、メーカーは対応受信機の開発が容易になる。また、通信回線を持たない機器でも、リアルタイム型放送を再生できる。

 簡易受信機を開発した1社がシステック(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:梶村武志氏)である。mmbiがホームページで開発を紹介した。もう1社はDXアンテナで、HDMI端子を備えたセットトップボックス(STB)型を現在開催中の「2013年国際放送機器展(Inter BEE 2013)」で展示している。家庭にある据置型テレビなど、HDMI端子を装備するディスプレイでNOTTVを視聴できる。

 mmbiが提供したCASクライアントは、ISDB-Tマルチメディアフォーラムが策定した仕様を元にするもので、ISDB-Tマルチメディアフォーラムの会員が受信機を開発する際に限定的に貸与している。両社ともに暫定仕様に基づき、リアルタイム放送対応を開発した。

 同フォーラムでは、2014年1月をメドにリアルタイム放送に対応する仕様Gen.01、同年3月には蓄積型にも対応するGen.02を整備する予定である。なお蓄積型では受信機側に通信機能が必要になるが、それでもCASクライアントに限定受信機能が集約され、受信機の開発が容易になるという。