写真●キングソフトの「KINGSOFT Internet Security 2014」
写真●キングソフトの「KINGSOFT Internet Security 2014」
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 中国系ソフトウエアベンダーのキングソフトは2013年11月14日、セキュリティソフトの新版「KINGSOFT Internet Security 2014」を公開した。従来のウイルス検出エンジン「Blue Chip II」に加え、ドイツのセキュリティベンダーAviraのエンジンを実装し、ウイルススキャンシステムを2つ搭載した「ダブルエンジン」モデルとなっている。

 KINGSOFT Internet Securityは、ウイルスの検出に特化し、「軽さ」と「速さ」を売りにしたセキュリティソフト。有料版もあるが、広告モデルによって無料で利用できるセキュリティソフトとして広く認知されている。同社によると日本国内では累計で700万、月当たり平均10万のダウンロードがあるという。

 ただし従来製品で採用していた独自開発のウイルス検出エンジンBlue Chip IIの検出率が他社製品に比べて低いという課題を抱えていた。このため新たにAviraのエンジンを実装してダブルエンジン化し、旧製品と比べて検出率を24%向上させた。AV-Comparativesが2013年9月に実施した品質テスト「File Detection test」では、ウイルスの検出率が99.7%となり、一部の有料ソフトを上回りトップクラスの測定値を残したという。

 さらに新版では、ツールとして同製品を実装した無線LAN搭載パソコンを無線LANアクセスポイントとして使えるようにする「テザリング」機能や、フィッシング詐欺からの危険を回避する「セーフアクセス」も搭載した。

 KINGSOFT Internet Security 2014には広告付きの無料版と、有料の無期限版(1980円)、1年版(980円)の3製品がある。動作するOSはWindows XP/Vista/7/8(8.1を含む)ですべて32/64ビットに対応。キングソフトオンラインショップからダウンロードできる。

 なお、「KINGSOFT Internet Securityシリーズ」は、2013年6月に特定の条件がそろった場合に、正常に起動できなくなってしまう事象を発生させていた(関連記事:Windows更新プログラムを修正する異例の措置、キングソフトとの“干渉”解消のため)。このときはマイクロソフトの更新プログラムとの“干渉”による問題だったが、キングソフトは「万が一こうした事態が発生した場合には、早急に対応する」としている。