写真●SnapchatのWebサイト
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 米Facebookがフォトメッセージングサービス、米Snapchatの買収を試みたと、複数の海外メディアが米Wall Street Journalの記事を引用して現地時間2013年11月13日までに伝えた。Facebookは現金30億ドル以上で、Snapchatを買収すると提案した。だがSnapchatはこの提案を断ったという。

 報道によると、Snapchatは現在、「WeChat」というグループチャットサービスを持つ中国のTencent Holdingsなどから出資の提案を受けている。出資金額は2億ドルで、評価額は40億ドルという。だがWall Street Journalは事情に詳しい関係者の話として、Snapchatの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のEvan Spiegel氏は、2014年の初めまでは買収や新たな資金調達について検討しないと伝えている。

 Snapchatの創業は2011年9月で、本社はカリフォルニア州ベニス。写真や動画を撮影して友人に送り、閲覧後に数秒で消えるというモバイルアプリケーションを手がけている。この仕組みがティーンエージャーなどに受けており、同社のサービスは利用者数が増加している。今年9月時点の1日当たりのメッセージ数は、3億5000万通となり、3カ月前の2億通から倍近くに増えたという。Wall Street JournalによるとSnapchatにはまだ売り上げがないが、同社は今年6月にベンチャーキャピタルの米Institutional Venture Partnersなどから6000万ドルの資金を調達している。

 Facebookは今年7~9月期の決算発表で、同社サービス利用者のうち、ティーンユーザーの間で日間アクティブユーザー数が減少傾向にあると報告したが、このことが同社の成長性に不安を残したと指摘されている(関連記事:FacebookのQ3決算は60%増収で黒字転換、モバイル広告が好調)。

 なおWall Street Journalによると、FacebookによるSnapchat買収の提示額は当初約10億ドルだった。しかしFacebookの担当者は最近になって再びSnapchatに連絡を取り、約30億ドルを全額現金で支払うと提案したという。もしこの買収が成立していれば、2012年9月に買収したInstagramの規模を上回り、Facebook創業以来最大の買収になっていたとWall Street Journalは伝えている。