会見する楽天の三木谷浩史社長
会見する楽天の三木谷浩史社長
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楽天が調査をした結果、17店舗で元値の不当な引き上げがあったという
楽天が調査をした結果、17店舗で元値の不当な引き上げがあったという
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 楽天は2013年11月11日、同月3~7日にかけて実施した楽天イーグルスの優勝にちなんだ日本一セールで元値の不当な引き上げをした17店舗に対し、1カ月のサービス停止処分としたことを発表した。77%引きなど高い値引き率の商品を集めた同セールでは、元値が高すぎるなどの理由で二重価格表示の可能性を指摘されていた。同社では、処分対象となった店舗で該当商品を購入したユーザーに現金あるいはポイントで補償する。

 二重価格表示の問題に関する日本一セールの報道を受け、同社が調査を進めたところ、17店舗がセールの直前に大幅に元値を引き上げていた。これら17店舗は、楽天のセール登録に関する審査プロセスを受けておらず、独自に日本一セールを展開していたという。該当する商品を購入したユーザーは合計で118人。商品の返品を前提として、購入金額を現金またはポイントで補償する。ユーザーには11月11日に補償の通知をしている。保証に関する問い合わせ窓口も新設する。

 三木谷浩史社長は「このような事態となってしまい申し訳ない」と謝罪。「設定していたルール自体が少し甘かった」として対策を示した。(1)元値の種類を「当店通常価格」「メーカー希望小売価格」に限定すること、(2)当店通常価格は楽天市場で過去8週間以内に合計4週間以上販売していた実績があるものとする、(3)楽天のセール企画名の無断使用を禁止する、という3つの柱を立てる。システムの改編が伴うため、開始時期は2014年3月以降となる見通し。このほか、新規で商品が登録された際には、楽天が元値の妥当性を一つずつ確認する体制を整えるという。

 一部報道では、日本一セールで販売されていた元値が1万1500円で販売価格が2600円としたシュークリームや、元値1万7310円で販売価格を3980円としたスルメイカの元値が高すぎるとして問題視されていた。楽天によるとこれらの製品は元値の引き上げがなかった、あるいは新規出品の商品だったため、セールの事前審査を通過していたという。これらは補償の対象には該当しないものの、79件の注文があったスルメイカについてはユーザーに購入意思を再度確認し、希望があればキャンセル処理をしているという。シュークリームの注文は0件だった。