写真1●プレゼンスセンシングシステムで使うシート型センサーの外観
写真1●プレゼンスセンシングシステムで使うシート型センサーの外観
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●プレゼンスセンシングシステムの概要(出典:NEC)
写真2●プレゼンスセンシングシステムの概要(出典:NEC)
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは2013年11月11日、床から発する電波の乱れを検知するという手法によって床の上に人やモノがあることを検知するセンサーシステム「プレゼンスセンシングシステム」(写真1)を発表した。床に敷くシート型のセンサーと、電波の解析技術を組み合わせて実現する。従来方式と比べてセンサー費用が数十分の一で済むとしている。2015年度までに実用化する予定である。

 電波を利用したシート型センサーを使って、床の上にあるモノの位置を測定するシステムである(写真2)。床の表面に弱い電波を常時出しておき、この上に人の足などが乗った際に乱れる電波を測定する仕組み。位置は1センチメートル単位で測定可能であり、同社の画像認識技術と組み合わせることで、足あとの形や向きを正確に把握できるとしている。これにより、例えば、イベント会場の動線や混雑度合いなどが分かる。

 シート型センサーは耐久性が高く、多人数が通過する場所に適するという。さらに、変形を検出するわけではないため、硬い床材の下に埋め込むこともできる。既存の一般的なセンサー(赤外線センサーや圧電センサーなど)と比べて、センサーコストを数十分の1に削減できるという。また、カメラ映像を利用せずに人の動きを把握できることから、プライバシーへの配慮と異変の早期発見を両立できるとしている。

 なお、電波を利用したシート型センサーの技術は、NECが2012年12月に発表していた。今回は、このセンサーを実用化する例として、センサーデータの解析技術を組み合わせたシステムを発表した形である。