電通国際情報サービス(ISID)は2013年11月8日、外国人観光客の行動ログを収集し解析する実証実験を開始すると発表した。実験は、同社のオープンイノベーション研究所(イノラボ)が実施する。訪日外国人観光客に対して、街頭で提供するコミュニケーション機能を検証するのが目的。

 実験の第1弾は、フランスのバルドワーズ県と共同で実施する。フランスから大阪を訪れる観光客を対象に、実験用ICカードを配布。被験者の日本滞在中の行動ログを解析するほか、さまざまなサービスを提供してその有効性を検証する。この実験にはグランフロント大阪TMOと池田泉州銀行が協力するほか、米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボ、放送大学川原研究室がテクニカルコラボレーターとして技術協力する。実験の期間は11月9日から18日まで。

 実験を通じて提供されるサービスとしては、外貨両替の手続き簡素化やフランス語による街の情報提供など。被験者は、出発地のシャルル・ド・ゴール空港で実験用ICカードを受け取り、空港に設置した専用端末で必要情報を事前登録する。これにより、関西国際空港の池田泉州銀行外貨両替ショップで、実験用ICカードを専用端末にタッチするだけで、外貨両替ができるようになる。また、大阪、名古屋、京都の各都市に、ISIDのコミュニケーション基盤「コンパスサービス」の専用端末を設置。被験者が同端末に実験用ICカードをタッチすると、フランス語で次の旅程や近隣のお勧め情報が表示される。

 ISIDイノラボは、今回の実験成果をもとに、訪日外国人観光客を対象とした街のコミュニケーション基盤の開発に取り組むとしている。

■変更履歴
当社、第2段落でテクニカルコラボレーターとして電通を記述していましたが誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/11/13 17:50]