写真●FC98-NXシリーズ S35Wの外観
写真●FC98-NXシリーズ S35Wの外観
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 NECは2013年11月8日、工場などの過酷な環境で使うことを想定して耐久性や可用性を高めたファクトリーコンピュータ「FC98-NXシリーズ」全13機種のうち、最もハイエンドに位置する新機種「S35W」(写真)を発表、同日販売を開始した。12月2日に出荷する。既存のハイエンド機種「S21W」を含む3機種(S21W、S16W、D21A)の後継に当たる。

 FC98-NXシリーズは、過酷な環境条件(温度、電源ノイズ、振動など)で24時間365日連続稼働させることを想定している。精密機械の製造・検査装置やビル・公共施設の監視制御システムなどの分野で使われている。信頼性を高めるために、本体の異常を検知してシステム障害を未然に防止するRAS(Reliability、Avabilaility、Serviceability)ボードを備えるほか、部品の長期供給や長期保守を保証している。

 今回、ハイエンドに位置する3機種(S21W、S16W、D21A)の後継機種として、性能をS21Wの約1.5倍、S16Wの約2倍に高めた新機種(S35W)を用意した。これまでのハイエンド機種(S21W)に代わって、今後はS35WがFC98-NXシリーズ全体のハイエンド機種となる。S35WのCPUはクアッドコアのXeon E3-1275 v3(3.50GHz)で、チップセットはC226。

 RASの主な機能は以下の通り。ハードウエア監視(温度、FAN、電圧、PCIパリティー、ミラーリングインタフェースボードなど)、SMART監視、ウォッチドッグタイマー監視、外部入力監視、バッテリーアラームの検出、デジタル入出力、外部通知、ロギング、通電時間計測、ハードウエア寿命診断などである。

 内蔵するハードディスクの構成によって3モデルを用意した。「ミラーリング機能搭載モデル」は、160Gバイトまたは500Gバイトのディスクを2台搭載し、ミラーリング(RAID-1)構成をとる。「シングルディスクモデル」は、160Gバイトまたは500Gバイトのディスクを1台搭載する。「ディスクレスモデル」は、ディスクを搭載しない。

 その他の主な仕様は以下の通り。I/Oスロットの空きは、PCI Express(x16)×1、PCI Express(x8)×1、PCI×6。ドライブベイの空きは、5インチベイ×1。本体の大きさは、幅420×奥行き422×高さ163ミリメートル。重さは、ミラーリング構成モデルで約14.6キログラム。消費電力は、ミラーリング構成モデルで約210W(最大約600W)である。