ファクスやスキャナーなどの複合機から、インターネットを経由して複合機内部の情報が部外者に閲覧される可能性があるという一部報道を受け、複合機メーカー各社は2013年11月5日より、注意喚起を促す情報を発信している。

 その内容は、「適切なセキュリティ設定のもとでご使用いただければ、情報漏えいなどの心配はございません」(リコー)、「ファイアウォールなどで保護されたネットワークの中で運用いただき、複合機を含む情報機器側にも適切なセキュリティー設定を施してご利用いただければ、安心してお使いいただけます」(キヤノン)というもの。適切なセキュリティ設定の下で利用すれば、情報漏洩にかかわる問題はないとしている。

 この状況について、複合機のデータセキュリティに詳しい会津大学特任教授の山崎文明氏は「メーカーの対応には問題がある」と指摘する。現在はオンラインでのメンテナンスの必然性から、ほとんどの複合機がネットワークに接続されている状況にある。「大手の企業はともかく、中小企業にはファイアウォールを細かく設定できる専門知識がないところが少なくない。複合機のメーカーがファイアウォールの設定をレビューするなど、セキュリティを担保しておくべきだった」という。

 背景には、トナーの残量管理や部門別の課金などネットワークを接続する必然性が高まるなか、複合機がいくつものセキュリティ上の課題を抱えているという問題がある。「この問題は複合機メーカーがユーザー企業から集団訴訟を起こされる、経営リスクにもなる」(山崎氏)とメーカーに対して注意を促している。

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