写真●トレンドマイクロ 執行役員 ビジネスマーケティング本部 本部長 新井一人氏
写真●トレンドマイクロ 執行役員 ビジネスマーケティング本部 本部長 新井一人氏
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 トレンドマイクロは2013年11月5日、企業向けに安全なファイル共有を実現するソフトウエア製品「Trend Micro SafeSync for Enterprise」を発表した。企業は自社で運用するサーバーやストレージに同製品を導入することで、セキュリティを確保しつつ、社内外のメンバーとファイルを共有できるようになる。価格(税別)は1000ライセンス購入時で、1ユーザー当たり2960円。2013年11月27日から受注を開始する。

 「従業員の3割以上が、会社が許可していないツールを社外とのファイル交換に利用した経験がある」---。同社執行役員ビジネスマーケティング本部本部長の新井一人氏(写真)は、同社の調査結果を引用した。無料で利用できる個人向けオンラインストレージは、従業員にとっては利便性が高い一方、企業が利用状況を管理できないため、情報漏えいのリスク増大につながる。

 Trend Micro SafeSync for Enterpriseは、企業内にデータを保管するオンプレミス型で、システム管理者が従業員のアクセス権限を一元管理したり、ファイルへのユーザーのアクセス履歴を監査ログとして記録したりできる。Active Directoryと連携が可能で、グループ単位での権限付与も容易だ。

 ユーザーがPCに専用のクライアントソフトをインストールすると、PCに共有用のフォルダが作成され、このフォルダ内のデータが社内のストレージに自動的に同期される。OSは、Windows、Mac OS、iOS、Androidに対応。ストレージ上のデータはAES(256ビット)方式で暗号化し保存する。

 ファイルは10世代までバージョン管理が可能で、誤って上書きしてしまった場合でもユーザー自身で復元できる。監査ログは、システム管理者がWebの画面で確認できるのに加えて、CSVファイルとして出力できる。ウイルスチェック機能は搭載されていないが、2014年1月頃をメドに、バージョンアップ時(無償)に機能を付加するという。今後1年間で80社への導入を目指す。