図1 今回の実験における撮影/送信の体制
図1 今回の実験における撮影/送信の体制
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図2 今回の実験に協力した企業(1)
図2 今回の実験に協力した企業(1)
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図3 今回の実験に協力した企業(2)
図3 今回の実験に協力した企業(2)
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 次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)とスカパーJSATは2013年11月2日に、「アリスコンサートツアー2013 It's a Time ファイナル in 武道館」の衛星伝送による4Kライブビューイングを開催した。会場である映画館の「お台場シネマメディアージュ」には、報道陣のほか放送事業者などの関係者が多数来場した。

 日本武道館で行われたコンサートをスカパーJSATの衛星経由でお台場シネマメディアージュに伝送し、ライブビューイングとして上映した。今回は、7台の4Kカメラを駆使し、武道館で開催されたコンサートの生中継を実施した。

 7台の4Kカメラの内訳は、キヤノンの「EOS-C500デジタルシネマカメラ」(3台)と、ソニーの「PMW-F55デジタルシネマカメラ」(3台)、JVCケンウッドの「GY-HMQ10デジタルシネマカメラ」(1台)である。これらで撮影した映像を、富士通のH.264対応の送出用エンコーダーである「IP-9610」を用いて変調し、車載地球局の1.5mアンテナを用いて伝送した(図1)。

 今回の実験で利用した衛星は、「JCSAT-5A」である。変調方式には32値APSKを採用し、最大123Mbpsの回線容量を確保した。受信側では、お台場シネマメディアージュの1.4mアンテナで受信し、映画用の大画面(約350インチ)でリアルなコンサート映像を表示した。

 映像圧縮方式にはH.264/MPEG-4 AVCを用いて、4K(3840×2160)の映像を59.94Pのフレームレートで表示した。次世代映像圧縮方式の「HEVC」を採用しなかった理由についてNexTV-FとスカパーJSATは、「現時点で60P相当のフレームレートに対応するエンコーダーがないため」と説明した。「将来的にはHEVC対応のリアルタイムエンコーダーを利用して伝送を行いたい」としている。なお、今回の実験に協力した企業は、(図2)および(図3)の通りである。

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