写真1●野口君が開発したロボット遠隔制御システムのユーザーインタフェース。小さな子どもが操作を楽しめるようにボタン類を大きくして配置した。
写真1●野口君が開発したロボット遠隔制御システムのユーザーインタフェース。小さな子どもが操作を楽しめるようにボタン類を大きくして配置した。
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写真2●未来のエンジニア賞を受賞した、富谷町立成田中学校3年の野口宙君。「いずれはレスキューロボットや農業用ロボットを開発したい」
写真2●未来のエンジニア賞を受賞した、富谷町立成田中学校3年の野口宙君。「いずれはレスキューロボットや農業用ロボットを開発したい」
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 日本ナショナルインスツルメンツ(NI)は2013年11月1日、自社製のソフトウエアやハードウエアを使用したアプリケーション開発コンテストの結果を発表、今回初めて中学生が入賞したことを明らかにした。

 NIが主催する「グラフィカルシステム開発コンテスト」は、応募者の開発したアプリケーションのNI製ソフトウエア・ハードウエアの活用度合いや、課題解決への貢献度合い、革新性などを競うもので、今年で15回目。毎回50件程度の応募がある。同コンテストでは、これまでは社会人の技術者を中心に大学生や高専生からの応募はあったが、今回初めて中学生から応募があり、その出来具合を評価して特別賞に相当する「未来のエンジニア賞」を与えることにした。

 未来のエンジニア賞を受賞したのは、富谷町立成田中学校3年の野口宙君が開発したロボット遠隔制御システムのアプリケーション。ロボットに搭載したカメラの画像をパソコンのモニター上に表示し、その画像を見ながらリアルタイムにロボットの移動やアームの移動を遠隔操作できるアプリである。NI製のアプリ開発ツールである「LabVIEW」を使って開発した。

 野口君は「3~4才の小さな子どもがロボット操作を楽しめるように、ユーザーインタフェースの操作ボタンを大きくするなどの工夫をした」(写真1)という。「アプリ開発が楽しいのは、自分が作ったものを思い通りに動かせること。小さいときにレスキューロボットを見て、エンジニアになりたいと思った。いずれはレスキューロボットや農業用ロボットを開発したい」(写真2)と語る。

 NIは「理系離れが危惧されるなか、ものづくりへの支援とアプリの完成度の高さを考慮して、賞を設けることを決めた」(技術部統括部長兼マーケティング部長の清水 尚氏)。「野口君の受賞が刺激になって、多くの若い人たちがものづくりに親しんでもらえればと思う」(同)と表彰した狙いを述べた。