Androidアプリの設計開発などを手がけるウェード・コムは2013年10月31日、インテルが都内で開催した「インテル ソフトウエア・イノベーション・フォーラム 2013」において、AndroidアプリをTizenアプリに変換するためのアプリ開発者向けツール「POLARIS App Generator」を出展した。

 出展ブースでは、韓国サムスン電子のGALAXY S IIIベースのTizen端末上で「Angry Birds」を実行(写真1)。Android版のアプリを本ツールで変換したものだが、Androidの実機とそん色なく動作していた。

写真1●本ツールで変換した「Angry Birds」をTizen端末上で実行
写真1●本ツールで変換した「Angry Birds」をTizen端末上で実行
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●POLARIS App Generatorの画面
写真2●POLARIS App Generatorの画面
[画像のクリックで拡大表示]

 本ツールは、Androidアプリの検証を行う「POLARIS App Verifier」、AndroidアプリからTizenアプリへの変換を行う「POLARIS App Generator」、Tizen端末上でアプリを実行する「POLARIS App Player」の3つのパートで構成する。

 POLARIS App Verifierは、任意のAndroidアプリをTizenアプリに変換できるかどうかを検証するWebアプリケーション。Androidアプリのapkファイルをアップロードすると検証が行われ、結果をレポートで受け取ることができる。

 実際のアプリ変換には、同じくWebアプリケーションであるPOLARIS App Generatorを使う(写真2)。apkファイルをアップロードすると数秒で変換が完了し、Tizenアプリ(tpkファイル)としてダウンロードできる。このとき入手できるtpkは未署名のため、開発機での動作テスト用となる。Tizenストアへの登録に必要な署名済みtpkファイルへの変換は、有料サービスとなる。

 変換したアプリを初めてTizen端末上で実行するには、プレイヤーアプリであるPOLARIS App Playerをインストールする必要がある。プレイヤーの制限として、カメラやセンサーなどAndroidのハードウエアに依存したアプリには対応できず、今後の課題として挙げた。プレイヤーが対応していない機能を含むアプリについては、事前にPOLARIS App Verifierで検証できる。

 POLARIS App Generatorで署名済みのtpkファイルを生成するための料金は、アプリ1本あたり1万ドル(約98万円)程度という。2年間の契約期間中、同一のアプリであれば何度でもtpkファイルへの変換が可能となっている。また、多数のアプリを変換する場合にはディスカウントも検討するという。

 ウェード・コムは同ツールの開発元である韓国Infrawareの日本正規販売代理店。日本でTizen端末はまだ発売されていないが、「将来的にNTTドコモから発売が期待される。そのときに備えて、すでにあるAndroidアプリを変換し、Tizenストアに先行して公開しておくことが可能」(ウェード・コム担当者)とメリットを説明した。