連結会計ソフト「DivaSystem」を開発・販売するディーバは2013年11月1日、IFRS(国際会計基準)を採用する企業のシステム構築を短期化する「IFRS導入支援サービス」を提供すると発表した。連結会計システムの利用を中心に、IFRSに基づいた財務諸表を作成するシステムを最短半年で構築する。従来は短い場合でも1年弱かかっていた。「当社は既に29社の企業のIFRS採用を支援している。そのノウハウを方法論として集約することで、システムの導入を短期化する」とディーバ コンサルティング事業本部 コンサルティングサービス3部の玉村健 部長は説明する。

 IFRS導入支援サービスで利用する「IFRS導入方法論」は、(1)導入プロセス、(2)ツール、(3)成果物(ドキュメント)、(4)成果物(マスター・処理系)、(5)成果物(データ収集系)の大きく五つのコンテンツで構成する。「コンテンツは複数の企業から共通して聞かれた点や、実践した業務をまとめたもの。方法論に沿ってプロジェクトを進め、成果物を作成することで、効率的にプロジェクトを終えることができる」(ディーバ コンサルティング事業本部の斎藤和宣 ソリューション企画室長)。

 (1)は実施すべきタスクやプロジェクトの進め方を定義。(2)プロジェクトで検討すべき事項をまとめたものだ。日本の会計基準からIFRSに移行する際に、「勘定科目などをどのように組み替えるか」「子会社の決算期をどのように統一するか」「日本の会計基準とIFRSに基づいた財務諸表を並行して開示する期間をどのように設定するか」といったポイントをまとめている。

 (3)~(5)はプロジェクトで作成する必要がある文書やシステムをまとめたものだ。(3)はプロジェクトで作成すべき文書のテンプレート、(4)は勘定科目のマスターなどIFRSに対応する際に必要なマスターの変更の内容をまとめたものだ。(5)はIFRSに基づいた財務諸表を作成する際に、連結子会社から収集が必要なデータの例や、データを収集するための開発すべきシステムの画面例を提示する。

 IFRS導入支援サービスの料金は個別見積もりで、目安は300万円から。DivaSystemの利用企業でない場合でも提供する。2013年10月に金融庁がIFRSを任意に適用できる企業の条件を緩和したことも受け、ディーバは今後5年間で100社以上へのサービス提供を目指す。