TKCは2013年11月1日、海外拠点の会計データを一元管理するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)「海外ビジネスモニター」を提供すると発表した。パイロット版の提供開始は2013年12月27日から、正式版の提供開始は2014年3月から。「最近では大企業・中堅企業だけでなく中小企業も海外進出を進めている。一方で海外拠点の状況をしっかりと把握している企業は少なく、こうしたサービスの需要は大きいと判断した」と飯塚真規常務は説明する。

 海外ビジネスモニターは、海外拠点が現地の会計ソフトなどを利用して作成した仕訳データを収集し、本社が策定した管理会計用の勘定科目に合わせて変換する機能を提供する。海外の言語で記述された勘定科目や摘要などのデータを自動翻訳する機能や、通貨の自動換算機能などを用意し、海外拠点のデータを収集しやすくした。

 親会社向けに勘定科目や取引先名で子会社のデータを検索できる機能や、本社と海外子会社の会計処理が整合していることを確認する機能などを提供する。本社がTKCの会計システムを利用していない場合でも導入可能だ。海外ビジネスモニターを提供するサーバーは日本のTKCのデータセンターに設置する。

 料金は個別見積もり。同時アクセス数とデータ量で決まる。最短3カ月で導入できることを売りにし、海外展開を進める年商1000億円前後の企業から中小企業に向けて幅広く販売していく。2016年9月末までに100社への販売を目指す。