日本IBMが、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「IBM SmarterCloud Enterprise(国外での名称は「IBM SmartCloud Enterprise」)」を2014年1月31日で終了することが分かった。2013年10月31日現在、顧客への説明を開始している。米IBMが2013年6月に買収した米ソフトレイヤー(Softlayer)のIaaSとサービス内容が重複するためで、既存顧客にはソフトレイヤーへの移行を推奨しているという。

 上位サービスである「IBM SmarterCloud Enterprise+」は継続する。今回、サービス終了が明らかになったIBM SmarterCloud Enterpriseは、日本IBMが2011年4月に「10円クラウド」と銘打って始めたサービスで、「Amazon Web Services(AWS)」に価格面で対抗しうるものだと主張していた。今後は、AWS対抗のサービスとしてはソフトレイヤーを主軸に据え、エンタープライズ顧客に対してはIBM SmarterCloud Enterprise+を売り込む。

 IBM SmarterCloud Enterpriseは、米国のほか日本のデータセンターでもサービスを提供している。一方、顧客に対して移行を推奨しているソフトレイヤーのIaaSは、日本のデータセンターでは提供していない。そのため既存顧客は、米国やシンガポールなど国外のデータセンターで提供されるサービスへの移行を迫られることになる。

■変更履歴
第1段落で「米IBMが2014年6月に買収」としていましたが、「米IBMが2013年6月に買収」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/11/1 20:04]