写真1●Tintri VMstore T650の外観
写真1●Tintri VMstore T650の外観
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写真2●米Tintriでテクノロジー&ストラテジーアライアンス担当副社長を務めるRex Walters(レックス・ウォルターズ)氏
写真2●米Tintriでテクノロジー&ストラテジーアライアンス担当副社長を務めるRex Walters(レックス・ウォルターズ)氏
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 ティントリジャパンは2013年10月30日、仮想化環境向けストレージ製品の新モデル「Tintri VMstore T600シリーズ」を発表、同日出荷を開始した(写真1写真2)。既存モデル「T540」に対して、ハイエンドに位置する「T650」とローエンドに位置する「T620」の2モデルを追加した形である。開発会社は米Tintri。

 Tintri VMstoreは、サーバー仮想化環境(VMware環境)に特化したプライマリー(1次)共有ストレージ(関連記事:仮想化環境向けストレージの米Tintriが日本法人を設立)。VMware環境からNFS経由で利用するファイル共有サーバーであり、VMwareの仮想ハードディスクイメージ(VMDKファイル)を格納する。これにより、VMware環境のプライマリーストレージとして動作する(今後は、KVMやHyper-Vなどの仮想化製品でも使えるようにする)。

 最大の特徴は、単なる汎用のNFSサーバーではなく、格納するファイルとして、仮想環境のハードディスクイメージの格納に特化することで、ストレージI/Oの無駄を省き、高速化していることである。例えば、アライメントを自動調整する機能を備えている。仮想環境のデータブロックへの書き込みと、実際のストレージ上のデータブロックへの書き込みのずれを修正する機能である。また、管理画面からは、仮想サーバーごとにストレージ容量やIOPS(1秒当たりのストレージI/O数)などを設定できる。

 アライメントの自動調整機能といった仮想環境向けに特化した機能のほかにも、SSDの採用によって高速化を図っている。ファイルのメタデータをSSD上に置くほか、SSDとHDD(ハードディスク)を混在させた構成で動的なILM(階層型ストレージ管理)を実現している。データの新規書き込み先がSSDになるほか、あまり使われないデータをHDDに移動する。

ハイエンドとローエンドを追加しラインアップを強化

 今回、既存モデルよりもハイエンドに位置するモデルとローエンドに位置するモデルの2モデルを追加し、ラインアップを強化した。全3モデルのスペックと価格(税別)は以下の通り。(1)ハイエンドのT650は2000台の仮想サーバー、実効容量33.5Tバイトで2780万円。(2)既存のT540は1000台の仮想サーバー、実効容量13.5Tバイトで1800万円。(3)ローエンドのT620は500台の仮想サーバー、実効容量13.5Tバイトで1480万円。

 なお、T600シリーズの製品発表会では、2013年12月に出荷するTintri VMstore向けの運用管理ソフト「Tintri Global Center」の概要も明らかにした。まずは第一弾として監視機能を提供し、仮想サーバーごとのストレージI/Oの状況などを可視化できるようにする。外部の運用管理ツールからはREST APIを介してこれらの管理データを利用できるようにする。第二弾以降は、複数のTintri VMstoreを束ねてプール化し、アクセス負荷を分散できるようにするという。

 また、新たなパートナー企業として、ネットワンパートナーズと富士通エフサスの2社と協業することを発表した。これにより、現在のパートナーの状況は以下の通りとなった。国内1次販売代理店は、ネットワンパートナーズ、ノックス、丸紅情報システムズの3社。このほかに、東芝ITサービスがTintri VMstoreのサポートサービスを提供する。ユニアデックスは、Tintri VMstoreを活用したクラウド事業などを展開するほか、2次販売店としてTintri VMstoreの販売も行う。富士通エフサスは、Tintri VMstoreの販売や関連サービスなどを開始する予定である。