写真●新版のパッケージと共に登壇した川合林太郎社長
写真●新版のパッケージと共に登壇した川合林太郎社長
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 カスペルスキーは2013年10月29日、統合セキュリティ対策ソフトの新版「カスペルスキー 2014 マルチプラットフォーム セキュリティ」を発表した(写真)。家族内であれば、台数や人数の制限なく利用できる「ファミリー版」を新たに用意した。2013年11月14日に発売する。

 この製品には、Windows向けの「インターネット セキュリティ」、Mac向けの「インターネット セキュリティ for Mac」、Android向けの「インターネット セキュリティ for Android」が含まれる。今回いずれのソフトウエアでも、フィッシング詐欺検知の性能を高めたという。

 Windows向けには、ネットバンキングやネットショッピングなどの利用時に、ユーザーの個人情報を保護する機能を強化。アクセスしているWebサイトが信頼できるか、SSL証明書が正常か、ユーザーのパソコンがウイルスに感染していないか、などを複合的に診断する。ネットバンキングの場合、国内の大手都市銀行だけでなく、信用組合など幅広い金融機関に対応していることが特徴という。さらに、パソコンを操作不能にして解除のための金銭を要求するマルウエアへの対策機能なども追加した。

 Mac向けには、ユーザーインタフェースを改良したほか、ソフトウエアキーボード機能を追加。保護者が子供のインターネット利用状況を細かく管理するための機能も充実させた。Android向けには、端末の紛失時に、端末のアラームを鳴らして場所を確認できる機能を加えた。ショートメッセージサービス(SMS)内に含まれる悪意あるURLを検知し、ユーザーのアクセスを防ぐ機能なども強化した。

 同社マーケティング本部プロダクトマーケティング部の井手さとみ氏は、「日本のMacユーザーも、もはやサイバー犯罪と無縁ではない」と話す。アップルをかたった日本語のフィッシング詐欺メールが届く、Mac上で動作するルートキットが確認されるといった事件が相次いでいるという。またAndroidを狙ったウイルスの数もこの1年半で約30倍に増えたとし、複数のOSで利用できる同製品の強みを訴えた。

 対応OSは、Windows XP/Vista/7/8/8.1、Mac OS X 10.6~10.8、Android 2.3~4.3。価格は、家族全員が1年間使える「1年ファミリー版」のパッケージ版が9324円、ダウンロード版が7790円。一人のユーザーが台数に制限なく使える「1年プライベート版」は、パッケージ版が7140円、ダウンロード版が4980円。なお、ファミリー版を使える“家族”は、「同一の住居で起居し、生計を同じくするものの集団」と定義している。