写真1●執行役員常務 兼 マーケティング部門副部門長の川妻庸男氏
写真1●執行役員常務 兼 マーケティング部門副部門長の川妻庸男氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●統合商品戦略本部長の阪井洋之氏
写真2●統合商品戦略本部長の阪井洋之氏
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は2013年10月28日、企業で想定されるビッグデータ利用シーンと、その実現に必要な同社の製品やサービスを組み合わせて提示する「オファリング(課題解決メニュー)」による提案活動を開始した。ビッグデータ案件の早期立ち上げを目指す。「ビッグデータは活用したいが、具体的な課題は明確でないという企業が多いため、利用イメージを分かりやすく示した」と、執行役員常務 兼 マーケティング部門副部門長の川妻庸男氏は語る(写真1)。

 利用シーンは10種類。これまでに同社が手がけた200件のビッグデータ案件から、「リアルタイム経営の実現」「設備の故障予測によるメンテナンスの高度化」「顧客需要分析による人員配置の最適化」など、ニーズが大きそうなものを抽出した。利用シーンごとに、経営トップ、IT部門、現場部門に向けた提案資料を用意している。

 サービス提供体制も変更した。同社でビッグデータ関連プロジェクトの推進を担うコンサルタントやエンジニアなど約800人の部隊の中に、利用シーン別の専門チームを設置。ビッグデータイニシアティブセンターに寄せられた引き合いをこれらのチームが引き継ぐ形だ。

 統合商品戦略本部長の阪井洋之氏は、「ビッグデータ案件では、何の目的でどのデータを活用するかを明確にするまでに時間がかかりがちだが、オファリング投入で4~5カ月程度はその時間を短縮できるだろう」と語る(写真2)。同社はビッグデータ案件の8割程度をオファリング提案でカバーできるとみており、2015年度までに1000件程度の案件を獲得したい考えだ。

 合わせて、企業内でビッグデータ活用を牽引する人材を育成するための研修サービスの拡充も発表した。2014年1月から、「ビッグデータ実践教育コース」を開講する。データ分析の専門家によるケーススタディとワークショップ、分析ツールを使った実習の計4日間の講義になるという。