中国Lenovo Group(聯想集団)が、カナダBlackBerryの買収を検討していると複数の海外メディアが現地時間2013年10月17日までに報じた。LenovoはBlackBerryと秘密保持契約を結び、買収提案に必要となるBlackBerryの財務情報を確認しているという。

 米Wall Street Journal(WSJ)によると、Lenovoはコメントを控えているが同社の広報担当者は「特定の取引が合意に至るまで、あるいは戦略的選択肢の検討に結論が出るまで、交渉の進展を公表するつもりはない」と述べている。

 BlackBerryの身売りを巡っては、9月にカナダの投資会社Fairfax Financial Holdingsを中心とする企業連合が、BlackBerryの全株式を買収することで同社と基本合意している(関連記事:BlackBerry、全株式売却でカナダの投資会社と基本合意)。だが、英Reutersなどの報道によると、約47億ドルという買収金額について資金調達面で疑問が浮かび上がっており、先行きは不透明になっている。

 BlackBerryの身売りや資産の一部売却については、米Cisco Systems、米Google、独SAP、米Intel、韓国Samsung Electronicsなども買い手候補に挙がっており、BlackBerryは10月初旬にこれら企業に対し資産買収に関する関心を表明するよう要請した。このほか、米投資ファンドのCerberus Capital Managementや、BlackBerry共同創業者のMike Lazaridis氏とDoug Fregin氏も買収を検討していると伝えられている。

 Lenovoは2005年に米IBMのパソコン事業を12億5000万ドルで買収し、その後事業を拡大してきた。Wall Street Journalによると、もしLenovoによるBlackBerryの買収が決まれば中国企業による欧米企業の買収案件として最大規模になる。だがそれゆえに国家安全保障上の問題が懸念され、カナダ政府や米政府の監視が厳しくなるという。
 
 なおLenovoの楊元慶(Yang Yuanqing)最高経営責任者(CEO)は最近のインタビューで、「パソコンとモバイルの業界の統合は今後も進む」と答えている。同氏はBlackBerryについての言及は避けたが「目的や取引がLenovoの戦略と一致していれば、我々はその機会を生かす」と述べている。