写真●米ZL Technologiesで社長兼CEOを務めるKon Leong(カン・リョング)氏
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 ZLテクノロジーズは2013年10月16日、グローバル企業などに向けて、電子メールを中心とする文書データを長期保存して素早く検索できるようにするアーカイブソフトの新版「ZL Unified Archive v8.0」(ZL UA)を発表した。2013年内に出荷する。新版では、格納/分析対象となる非構造化データの種類を拡充し、FacebookやTwitterなどのSNSデータを取り込めるようにした。開発会社は米ZL Technologies。

 ZL UAは、企業が送信した全メールのコピーを長期保存するメールアーカイブの用途を主体とした、非構造化データの保存/検索/分析ソフト。米国での訴訟の際に証拠となるメール文書を素早く検索/提出できるようにするe-Discovery(電子情報開示)の用途や、特定の情報を長期保管するコンプライアンス(法令遵守)の用途に向く。

 メールサーバーと連携して送信メールのすべてに検索用のメタデータを付与して保管する。これにより、e-Discoveryにおいて、訴訟時に該当メールを素早く検索/提出できる。また、一般的にe-Discovery製品に求められる要件として、EDRM(電子情報開示参考モデル)と呼ぶワークフローモデル(データの保全/収集/加工/審査/分析)に準じた機能を備えている。

 システム上の特徴は、アーカイブ/管理/検索機能を1台のサーバーで兼ね備えること、サーバーの増設によって性能を拡張できること、重複排除によってストレージ容量を抑えていること---など。

SNSも分析対象、大量ファイル格納用に新ファイルシステムも用意

 新版では、保存/分析の対象となる非構造化データの種類を拡充し、新たにSNSのFacebook、Twitter、JIVEのデータを取り込んで分析できるようにした。新版ではまた、独自のファイルシステム「ZL VFS」も新規に採用し、多数のファイルへのアクセスを高速化した。OSのファイルシステムの上では一つのファイルに過ぎないものを、ZL VFSの管理下では小さな複数のファイルの集合として扱うことができる。OSで扱うファイル数が減るので、高速にアクセスできるようになる。

 新版(v8.0)の出荷時期は2013年内であり、価格は未定。現行版の価格(税別)は、販売代理店の一社である日本ユニシスの場合、機能をアーカイブに限定した最小構成で、500ユーザーで約320万円から。なお、一次販売代理店は全3社で、ネオアクシス(2009年10月出荷)、リコーITソリューションズ(2013年5月出荷、関連記事)、日本ユニシス(2013年6月出荷、関連記事)である。

 製品発表会では、今後のロードマップも示した。まずは、データ分析機能を高めるために、分散バッチ処理基盤であるHadoopのコンポーネントをZL UAに組み込む。さらに、非構造化データだけでなく、リレーショナルデータベース管理システムのデータなどの構造化データも一緒に取り込んで管理/分析できるようにしていくという(写真)。